日 本 図 書 館 情 報 学 会 会 報 No.114 HTML版 2004年9月 日本図書館情報学会事務局 〒480-1197 愛知県愛知郡長久手町
大字長湫字片平9 |
No.114 HTML版 内容一覧
■2004年度日本図書館情報学会臨時総会のお知らせ
■2004年度日本図書館情報学会定例(通信)総会の投票結果
§寄せられた会員のご意見と常任理事会の回答
■図書館情報学文献目録データベース検討会の開催
■LIPER関連行事のご案内
(2件)
◆(1)図書館情報専門職の現在 --LIPER研究班の中間報告--
◆(2)LIPER国際研究会のご案内
■学会創立50周年記念誌から
(2件)
◆日本図書館情報学会の創立50周年に寄せて
西日本図書館学会も創立50周年 両学会の今後の発展を祈念して!
福永 義臣(九州国際大学経済学部)
◆地方在住の一会員として
堀川 照代(島根県立島根女子短期大学)
■おしらせ
◆2004年度研究助成金の決定
◆文献目録委員会の郵送先アドレス訂正
◆『日本図書館情報学会誌』投稿募集
■BIBLIS 2の会員への頒布
■図書館情報学関連団体からのおしらせ:
◆情報メディア学会第6回研究会開催のお知らせ
◆同志社大学図書館学司書課程創立50周年記念行事のお知らせ
2004年度日本図書館情報学会臨時総会のお知らせ
会員各位
日本図書館情報学会会長
上 田 修 一
2004年度日本図書館情報学会臨時総会を下記のとおり,第52回研究大会の第2日目に開催いたしますので,ご案内申し上げます。会員各位におかれましては,多数ご出席下さいますようお願いいたします。
なお,総会の議事終了後,同会場において,2004年度学会賞ならびに奨励賞の授与式を行ないます。
記
日時 2004年11月7日(日)13:30〜14:30
会場 関西大学千里山キャンパス(大阪府吹田市)
議事 1 2004年度定例(通信)総会の議案投票結果について
2 その他
2004年度日本図書館情報学会定例(通信)総会の投票結果
有権者数 598 (投票用紙発送数)
投票投票総数 158 (2004年6月5日の消印までを有効とした)
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参 |
否 |
第1号議案 |
2003年度事業報告 |
158 |
0 |
第2号議案 |
2003年度決算報告および会計監査報告 |
158 |
0 |
第3号議案 |
2004年度事業計画案 |
158 |
0 |
第4号議案 |
2004年度予算案 |
158 |
0 |
日本図書館情報学会規約第11条第1項(全正会員の5分の1)により総会は成立し,第11条2項(出席会員の過半数)により,全議案は承認され,成立いたしました。
§寄せられた会員のご意見と常任理事会の回答
◇学会活動に関するご意見
(1) 私が参加している各種研究会・学会の中では,最も運営がスマートだと思います。さて,2年ほど前に,春季研究集会の予稿集が販売されましたが,1回限りだったと思います。続けてほしいのですが,無理でしたら,学会HPにPDFファイル等で公開していただけないでしょうか? 参加できない者には助かりますので。よろしくご検討ください。
【回答】 春季研究集会にしても,研究大会にしても,集会の事務局(開催校)から引き継いだ予稿集の残部に余裕があれば,ご希望にはお応えしています。ただし,部数や引継ぎ時期が一定しているわけではありませんので,正規の会員サービスとするのは,現状では難しいようです。予稿集のPDF化と学会のHP上での公開については,現在研究委員会で検討中です。
(2) 今後の研究集会,研究大会等の実施に際しては,次の事項を会員に周知させる必要があります。(残念ながら)
・会場内では,PHS,携帯電話はマナーモードに切り換え,発表時間中の使用は控える
・会場内では,発表者プレゼン用PC以外のPCの使用は控える。
【回答】 春季研究集会や研究大会の会場におけるPHSや携帯電話等の音については,大変残念なことであり,この場を借りて,会員諸氏の自覚を強く促したいと考えます。
PCも,あらかじめ音量をミュートにしておくことは当然と言えますが,会場でのPCの使用については,現在のところ学会により対応に差があり,また本学会内でも見解が一致しているわけではないようですので,いましばらく様子を見ていきたいと思います。
(3) 役員制度検討委員会の検討ご苦労様です。通算任期を取り入れた点などはすぐれていると思います。しかし,常任理事の2期6年は長いと思います。多くの場合,2期連続となりますので,任期は実質6年にならないでしょうか。
【回答】 役員の任期は,1986年に,理事・評議員制から常任理事・理事制への変更が行われる際に2年から3年に延長されました。その理由として,当時の記録には,「1 選挙管理事務の省力化,2 経費の節約」が上がっています。これは,選挙管理委員会を2年ごとに組織することと,役員選挙にかかわる費用とが当時の学会運営においては大きな負担となっていたためと理解されます。
選挙管理委員会を組織することはともかく,学会予算の現状からみれば,2年ごとに選挙費用を支出しても特に問題はないと考えられます。
ただ,役員任期を連続2期までとする制限や,現在検討中の通算任期は,この任期3年を前提としたものですので,これらについても検討が必要となります。
役員任期を以前のように2年に戻すか,現状の3年のままとするかについては,様々な角度からの検討が必要と考えられますので,会員の皆様のご意見を頂ければ幸いです。
(4) 文献目録データベースは,NDLの雑誌記事索引がウェブ上で一般公開されるようになった事情を踏まえて,その意義,費用対効果,収録範囲を再検討するべきだと思います。
【回答】 図書館情報学文献目録データベースに関しては,これまでの経緯や図書館情報学を専門とする学会であるということからも,このようなデータベース作成に学会が関わることに意義があると考えて事業として展開してきました。費用に関してはここ数年は科学研究費補助金によって行ってきておりますが,運営他において多くの問題を抱えていることも事実です。そこで図書館情報学文献目録データベースの現状と課題を知っていただき,今後のあり方を考えるための検討会を10月29日(金)に開催いたします。文献目録データベースに関して,会員の皆さまからの多くのご意見をいただければと考えます。
(5) 司書資格取得者の自治体採用が激減しています。現実的方途を企画する時期です。自治体電子化推進では,情報担当者がいないことがいわれます。情報文献士などの創設が必要でしょう。
【回答】 すでにご案内しておりますように,科学研究費を受け,学会のメンバーを中心とした共同研究「情報専門職の養成に向けた図書館情報学教育体制の再構築に関する総合的研究(略称LIPER)」を実施しています。この研究から状況に向けた提言を予定していますが,ご提案のアイディアも含め検討させていただきます。なお,これまでの経過は
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jslis/liper/report.html
をご覧下さい。
(6) 会員全員(希望者)が参加できるような,有史以来の図書もしくは図書館に関係した特色ある「人物事典」を刊行してください。
【回答】 これまで,本学会で編集した『図書館情報学用語辞典』では,項目執筆者を会員から公募する方式を採ってまいりました。また,初版の『図書館情報学用語辞典』では人名は含みませんでしたが,第二版では,80件の人名項目を加えています。まもなく第三版の編集にとりかかることになりますが,この中で,ご希望に応えられるよう努力いたします。
◇その他
(7) 最近著名な会員が相次いで退会され何となく淋しい感じがします。
図書館情報学文献目録データベース検討会の開催
学会では現在図書館情報学文献目録データベース(BIBLIS)を科学研究費補助金の補助を受けて作成しております。専門分野の書誌,索引の作成が不十分な日本において,長い歴史を持ち,また検索システムも含めたCD-ROMとしての頒布も行うなど,一定の成果を挙げてきたものと考えます。
しかしながら,その運営は必ずしもスムーズなものではなく,一部委員への負担もあり,定期的な更新と公開という点で,満足いく提供体制をとるところにまでには至っておりません。また今回会員の方からの意見にもありますように,国立国会図書館の雑誌記事索引がWebで無料公開されるようになったこともあり,今後の図書館情報学文献目録データベースのあり方を根本的に考える時期に来ているといえます。そこで,以下の日時で図書館情報学文献目録データベースの検討会を開催し,このデータベースの意義,現状と問題点を知っていただき,またこのデータベースについて会員の皆さまからのご意見を広くお聞きする場を設けたいと考えます。文献目録データベースに関心をお持ちの方が一人でも多くご参加いただけることを期待しております。
日時:2004年10月29日(金) 18:00?20:00
場所:慶應義塾大学三田キャンパス東館5階プロジェクト室3
内容:図書館情報学文献目録データベースの意義 上田修一
データベース作成の現状 倉田敬子
討論
*参加費は無料です。事前の申込みは必要ありません。当日,直接
会場においでください。場所は以下のサイトをご参照ください。
http://www.keio.ac.jp/access.html
また,検討会にご参加いただけない会員の方で,図書館情報学文献目録データベース(BIBLIS)に対するご意見をお持ちの方は,メールもしくは郵送で学会事務局までお寄せ下さい。
LIPER関連行事のご案内 (2件)
◆(1)図書館情報専門職の現在 --LIPER研究班の中間報告--
※7月22日付「会報電子メール速報版」にて既報
LIPERは,日本図書館情報学会のメンバーが中心となって3年計画で行っている研究プロジェクトで,図書館情報学教育の再検討を目的としています。昨年に引き続いて2回目になるこの公開シンポジウムでは,LIPER研究班の各メンバーがこれまでの研究の中間報告を行い,これに対して現場の関係者からのコメントにより,会場の参加者全員で討議いたします。
参加は自由ですので,多くの方にご参加いただければと思います。
記
主催:
LIPER(情報専門職の養成に向けた図書館情報学教育体制の再構築に関する総合的研究)研究班
後援:日本図書館情報学会
日時:2004年9月18日(土)午後1時?4時30分(開場12時40分)
会場:慶應義塾大学三田キャンパス 517教室 <http://www.keio.ac.jp/access/mita.html>
報告者:
図書館情報学教育班 三輪眞木子(メディア教育開発センター教授)
公共図書館班 小田光宏(青山学院大学文学部教授)
大学図書館班 永田治樹(筑波大学図書館情報メディア研究科教授)
学校図書館班 堀川照代(島根女子短期大学教授)
コメンテータ:
図書館情報学教育 渡辺信一(同志社大学文学部教授)
公共図書館 西野一夫(川崎市立中原図書館館長)
大学図書館 大埜浩一(京都大学附属図書館事務部長)
学校図書館 小林路子(市川市教育センター指導主事)
司会:根本彰(東京大学大学院教育学研究科教授)
参加:無料。どなたでも参加できます。
事前登録は必要ありません。直接会場においでください。
お問い合わせ:東京大学 根本彰(anemoto@p.u-tokyo.ac.jp)
HP:<http://wwwsoc.nii.ac.jp/jslis/liper/index.html>
◆(2)LIPER国際研究会のご案内
アジア地域4カ国から講師をお招きして,各国の図書館情報学教育の現状についてご講演いただくため,LIPER国際研究会を2回にわたり以下の要領で開催いたしますので,奮ってご参加ください。各講師の先生には,以下の内容についてそれぞれ1時間程度お話いただいたあと,1時間程度のディスカッションを予定しております。なお,講演原稿(日本語)を当日配布します。
(1) 自国における図書館情報学教育の沿革,
(2) 自国における図書館員(司書職)の認定制度と認定母体,
(3) 自国における最近の図書館情報学教育カリキュラムの動向と内容の変化,
(4) 自国における図書館員(司書職)の就職機会の動向,
(5) 自国内および近隣諸国との間の図書館員(司書職)教育機関間の単位互換制度が存在するのであれば,その仕組みについて
2004年度第1回LIPER国際研究会
日時:11月13日(土曜) 13:00-16:30
場所:慶應義塾大学(三田) 東館5Fプロジェクト室
講師: シンガポール:Christopher KHOO Soo Guan, PhD (英語で講演)
Associate
Professor, Nanyang Technological University
中華民国:Chihfeng P. Lin 林志鳳 (英語で講演)
Director,
Shih-Hsin University Library
司会:三輪眞木子(メディア教育開発センター)
なお,終了後別の場所で懇親を兼ねた夕食会を予定しておりますので,併せてご参加ください。
2004年度第2回LIPER国際研究会
日時:12月18日(土曜) 13:00-16:30
場所:慶應義塾大学(三田) 東館5Fプロジェクト室
講師: 中華人民共和国:李常慶 (日本語で講演)
中国北京市海淀区北京大学信息管理系助教授
タイ:
Dr.Pimrumpai Premsmit (英語で講演)
Assistant
Professor, Department of Library Science
Faculty
of Arts, Chulalongkorn University
司会:竹内比呂也(千葉大学文学部)
なお,終了後別の場所で懇親を兼ねた夕食会を予定しておりますので,併せてご参加ください。
参加ご希望の方は,下記宛にお申し込みください。
東京大学教育学部 根本 彰
電子メール:anemoto@p.u-tokyo.ac.jp ファックス:(03-5841-3975)
学会創立50周年記念誌から
(2件)
日本図書館情報学会の創立50周年に寄せて
西日本図書館学会も創立50周年
両学会の今後の発展を祈念して!
福永 義臣(九州国際大学経済学部)
日本図書館情報学会(以下「貴会」)の創立50周年を心からお祝い申し上げます。創立から半世紀,「人生50年」といわれた時代なら,一生に相当する歳月を経てきたことになります。すばらしいことです。
実は,西日本図書館学会(以下「本会」)も50周年を迎えたのです。そこで本稿は創立の経緯や合同研究発表会等を中心に貴会との関係を書かせていただこうと思います。
本会は1953年,設立総会を11月13(土),第1回研究発表会を14(日)に,九州大学附属図書館会議室において開催しております。貴会の6月4日の上野・国立博物館における第1回総会より5か月あとのことです。
本会の創設について,代表理事(のちに顧問)であった木村秀明先生は(1922?2002.8.30.)は次のように述べていらっしゃいます。
1950(昭和25)年,文部省は当時のGHQから第2次米国教育使節団の勧告に基づく教育改革の一環として厳重に実施を指示され「図書館法」第4条の司書の任用に関して,夏期集中講義方式で実施する方針を固め,翌1951(昭和26)年6月,東京大学において「図書館専門職員養成講習指導者講習会」を開催して,『図書館学講義要綱』(シラバス)を制定するとともに,翌7月から東北大学・東京大学・京都大学・名古屋大学・九州大学の5大学に委嘱して「図書館専門職員養成講習」を開講した。(これが今日もなお継続されている資格付与のための司書および司書補講習の始まりである)1)。
翌1952(昭和27)年4月のある日,九州大学(以下「九大」)の「第1回養成講習」受講生の有志が,福岡市近郊の温泉で親睦会を開きました。出席者の一人から「図書館界の発展はこれからである。いわんや図書館学なるものの確立もわれわれに与えられた責務である。この会を単なる親睦のみに終わらせてはならない。」と,「図書館学研究団体の設立」がつよく提唱され,「満場一致」の賛同を得ました。これに対して,講習開催実施大学である九大附属図書館関係者の「熱意を以て設立のための努力を惜しまない」というこころづよい「決意表明」があったといいます。本会は,現今の学会や教育部会ではあまり歓迎されていない司書講習から,「はじめの一歩」を踏み出したわけですから,今昔の感があります。同年5月には全国図書館大会が福岡県を中心に九州で開催されました。そこでは,「IFEL図書館学会」2)や貴会の前身「日本図書館学会」の設立が伝えられ,研究団体を「学会とすべきだとの声が高まって」,西日本図書館学会として「呱々の声」をあげたのが先述の1953年11月13日であったのです。しかし,当初は本会創設に対する館界の風当たりはつよかったようです。本会が創立3周年を迎えた昭和31年末,ある雑誌に次のように書かれています。
1956年の図書館学界について,特筆すべきことをあげるとなると,(中略)第4にあげられることは,学会の規約改正によって綜合学会としての性格から,単一の学会にきりかえをしたことである。端的にいえば綜合学会として,おたかくとまっていたところから,他の学会と同列の線にもどって再出発したいというけんきょな気持ちからであろう。ほんとに,いまのところ西日本図書館学会,日本図書館研究会,IFEL図書館学会,三田図書館学会,図書館職員養成所学会というように,せまい日本の図書館の分野で,群小学会の乱立は,余りほめたことがらではない。まして,名目だけで機関誌の発行さえもおぼつかないところでは,むしろ小異をすてて大同に基くということにして,日本図書館学会の強化に一翼をになうといくことはできないものであろうか3)。
また,早合点による誤解から出た日本図書館研究会との合併騒動もあったのでした。
[機関誌『図書館学』]第6号発行の前には関西の歴史の古い日本図書館研究会から提携の申し出があったのだが,熊本商科大学(現熊本学園大学)の司書講習に講師として来ていた役員の一人が合併話と誤解して受講生に話したため大混乱となった。これは,同研究会の事務局長を引き受けた岩猿氏が,好意的に発言したものを誤解したと判り,一件落着4)。
「岩猿氏」と言えば,本会の創設に大きな力があった,そしてその後貴会の会長にも就任された名誉会員の岩猿敏生先生です。木村先生は「学会創立の準備は九州大学附属図書館の事務長船越惣兵衛氏以下全員が一丸となって進められ,まず事務局を構成して実際の設立業務を担当することになった」が,「その理論的中心人物は当時司書官として活躍していた岩猿敏生氏であった」と述懐しておられます。「狭い日本に幾つもの学会は不要との某日本図書館学会員の発言と合併話に怒り,断固として断ったのが岩猿氏」だったのですから,日本図書館研究会との「合併話」など出るはずはなかったのです。「せまい日本の図書館の分野で,群小学会の乱立」云々と書かれた3年後,本会の活動がやはり先の雑誌に採り上げられています。
昭和28年11月13日に創立総会を開催,会則を作成,役員を選出して,学会は成立した。以後例年総会を開催,昭和34年度は,日本図書館学会が,九州で総会を開催するので,それに合流して,10月13・14日の両日,九州大学教育学部において,第7回総会および第8回研究発表会を開催する。その間,機関誌“図書館学”を発刊すること7号を重ね,同誌は,会員諸子の重要な発表機関として,毎号その掲載論文に識者の注目を引いている。なお,その間“西図ニュース”を順次発行し,学会の活動状況,会員の消息,その他学会に送られてくる国内および海外からの寄贈・交換図書の紹介,研究発表会で発表された報告要綱等を収め,不定期刊である機関誌の不備な点を補うことに努めている。現在の会員数170名。当学会の概貌を伝えるには,機関誌“図書館学”の発表論文をここに紹介するのが便利と思われるので,以下それを記す。(略)5)
上記のように紹介され,続けて『図書館学』第1号(昭和29年6月)から第7号(昭和34年9月)までの掲載論文38篇の著者およびタイトルが掲載されております。機関誌名を「『図書館学』と命名しようと主張したのは岩猿氏で,関東方面や近畿地区からクレ?ムが付くのではないかと心配したが,思ったほどの抗議はこなかった」6)そうです。本会の『図書館学』第1号より5か月遅れて発行された貴会の『図書館学会年報』第1巻第1号(1954・昭和29年11月)に掲載の「図書館学のAkademie性について」の著者菊池租(きくち・みつぎ・1904-1984)先生は本会の会長(昭和43?59年)をつとめられたこともあり,貴会第4期・会長指名の幹事でもありました。岩猿先生の『図書館学』第2号掲載の「図書館学方法試論」は「全国図書館界の話題となり」,菊池先生の論文とともに「図書館学を学として成り立たせるための旗標となった」7)と言われています。また,『図書館学』第3号には,当時慶應義塾大学文学部図書館学科主任教授であったギトラー先生(Robert
L. Gitler,1909?)が「Workshops, Their メCare and Feedingモ」を寄稿なさっています。「『図書館学』が学会の機関誌として認められたものと理解して非常に嬉しかった。機関誌の頁数は経費の都合で48頁に限定されていたために」,木村先生が予定し予告もしていた論文を削除して掲載したが,渡辺茂男氏(当時慶應義塾大学)の訳文を割愛したために,後日ギトラー先生から「これではだれも読みませんね」と叱責されたそうです。
貴会の初期の会報には,先の菊池先生のほか,岩猿先生「図書館学の体系と方法」8),佐々伊佐美「算法書塵劫記の出板について」9),西村捨也「索引に関する研究序説」10),永末十四雄「日本公共図書館の普及に関する史的考察」11),河野信子「運営政策比較のための統計解析?統計表「日本の図書館」を中心に」12),佐々伊佐美「孝経の出版について」13)などの論文が掲載されています。いずれも本会の会員でもあります。佐々伊佐美は八幡市立図書館,西村捨也は九州工業大学附属図書館,永末十四雄は田川市立図書館,河野信子は九州大学経済学部図書室に,それぞれ勤務していました。彼らのなかには,転勤により発表の場を貴会中心に移した人もいますし,その後,継続研究によって著書として刊行され高い評価を得たものもあります。現在,貴会と本会の共通会員は34名14)いるようです。『図書館学』は,春秋2回の研究発表会において発表をされた論文を中心に編集しており,年度内に2回発行しています。1991?1995年の論文数は貴会59篇,本会44篇15)です。量的には57:43,発行回数の違いもありますが,本会の掲載論文は貴会に比して少なく,著者所属・論文主題分野等雑誌構造マッピング16)も領域を異にしているようです。館界の人的制度や学会構成員の変化に基づくものと思われます。
貴会の第7回と第40回の研究発表会は本会との合同開催であったことは周知の通りです。第7回関係は貴会の年報17)に報じられております。当時の両会の会長に合同学会準備委員長として平塚益徳氏(九大教育学部長)が参加18)しています。会報にはありませんが,海後宗臣会長(東京大学)の「戦後教育における図書館の再編成」と題する講演があった19)ようです。会報には貴会の会員の発表のみ掲載されていますが,両会共通会員である宮原賢吾(佐賀県立図書館),永末,河野,佐々の四氏のほか本会会員11名の計15名が第1日目7名,2日目に8名に分かれて発表した20)と記録されています。合同研究発表会から5日後,貴会海後宗臣会長,本会古野清人(北九州大学)会長,平塚益徳合同学会準備委員長の3名が菊池先生(福岡県立図書館長)の司会で,シンポジウム「図書館の当面する諸問題と使命」をNHK福岡放送局で行い,同時にラジオ第2放送を通じて九州地区管内に放送された21)ということです。第40回合同研究大会は1992年9月13日から15日22)まで開催されました。近年のことであり,諸氏の記憶にも新しいことと思います。本会からは第1分科会に3氏,第2分科会に1氏と2組が発表23)しています。いずれも全国研究者に比して見劣りしないできばえで,参加者のなかからは「これまであまり知らなかったが,非常にレベルが高いので驚いている」という声が聞かれた24)との記録があります。2日目には「地域社会における公立図書館の必要性と役割」というテーマで,貴会2名,本会2名25)の計4名のパネリスト,貴会の司会によるシンポジウムが行われています。
創立当初それほど変わらなかった会員数も現在かなり相違があるようです。やはり中央と地方の差でしょうか。本会の会員は全国にいますが,西日本・九州に大多数が在住し,事務局も代々福岡県に置かれてきました。
「九州に本拠がある以上,中央に比べて不利なことは確かである。そこで,本学会としては(中略)ローカリティのある研究に特色をもつように努力をして来,それが成功もしている」26)とあるように,今後も地方にあることを最大限に活かした学会活動をモットーに,本会のより一層の発展充実を期したいと考えております。その第一が1998年から始めた韓国・文献情報処理研究会との交流です。九州は韓国にいちばん近い「一衣帯水」の間柄,東京よりも至近距離にあります。2001年11月には正式に交流協定・覚書を締結しました。情報通信ネットワークが発達した今日では,情報の発信と受信に地方であることのハンディキャップはなくなってきています。
「創業と守成といずれが難き」という問いがあります。すでに創業時代の困難は去り,51年目からの守成,継続発展させる努力が要請されています。「群小学会の乱立」と言われても引き下がらず,合併話にも耳を傾けず,本会がわが道を歩んでこられたのは,一つは先輩諸氏の努力と貢献があったからであり,もう一つは貴会の存在があったからだと思います。木村先生が逝かれ,岩猿先生も第一線を退かれた現在,貴会とは「5時からの学会」で親しく交流し情報を交換する機会も少なくなりました。「なにをぬかすか,西図!」とお思いかも知れませんが,また近いうちに合同研究会を開催するなど,これからも互いによき朋友でありたいものです。どうぞよろしくお願い致します27)。
1)木村秀明「学会創設のころ」『図書館学』69号 1996(平成8)年9月 p1-5
2)Institute For Educational
Leadership 教育指導者講習会 昭和二十五年度教育指導者講習会編『第六回教育指導者講習研究集録』Study Report of the
Institute For Educational Leadership 6th Session XXIV 図書館学Library Science Edited
by IFEL 1950-1951)は,すずさわ書房から『占領期教育指導者講習基本資料集成』(全3巻)の第U期として復刻刊行され,根本彰氏(東京大学)が図書館学の解題を執筆している。
3)服部金太郎「学界」(1956年の図書館界・図書館は前進したか.9-10)『図書館雑誌』昭和31年12月
Vol.50 No.12 p485-486
4)注1に同じ なお,この件に関して『図書館学』第6号(昭和33年11月)の「あとがき」に,年間2号の発行を目標にしていたが,今年度も結局1号におわった。会費等の収支計画を考え,できるだけ余剰金を蓄えて今後の2号発行に備えたいと述べたあとに,以下の記述がある。このような苦境に同情されたのか,日本図書館研究会(関西に事務局を置き,「図書館界」を発行している)から,本学会との連絡提携が提案されてきた。
主として研究上の共同体制をしこうということで,まことに喜ばしいことと思うが,一部に誤り伝えられて,熊本商大の司書講習を受講された方々やその周辺の会員のなかには驚かれた人もいると思うけれども,それは全くのデマであるからご安心を願いたい。前記研究会の某幹部が,提携のニュースを合併と即断された結果であると思われる。(中略)幸いにして同研究会の事務局長には,本学会の事実上の創立者ともいうべき岩猿敏生氏が迎えられているだけに心強いことはひとしおである。
5)「図書館関係団体めぐり 西日本図書館学会」『図書館雑誌』昭和34年11月
Vol.53 No.11p477
6) 注1に同じ
7) 注1に同じ
8) Vol.4,No.2(1957年9月)
9) Vol.5,No.3(1957年12月)
10)Vol.6,No.1(1959年6月)
11)Vol.7,No.1(1960年2月)
12)Vol.7,No.1(1960年2月)
13)Vol.7,No.1(1960年2月)
14)本会『図書館学』82号(2003年3月)巻末の会員名簿登載者で,日本図書館情報学会「会員名簿」(2001年9月)の掲載者。
15)倉田敬子[ほか]「日本における図書館情報学研究の動向分析:1991?1995年に発表された主要雑誌論文調査」『第46回日本図書館情報学会研究大会発表要綱』p87-90
16)注14に同じ
17)第6巻第2号(通巻第11号)1959年10月 p80 p122「学会報」
18)注1に同じ
19)『図書館学』別冊 木村秀明「創立25周年記念 西日本図書館学会・略史」1978年9月
20)注17及び注1に同じ 中野哲治 木村秀明 鶴田義郎 遠矢公郎 近藤須美 松本義康 浜地政右衛門 別府篤郎 友井久夫 前田理八 村上庄一
21)注1に同じ シンポの全記録は「西図ニュース」第8号に掲載されているが,注1同誌にも続けて掲載されている。
22)会場はホテル海の中道(福岡市東区西戸崎)最終日9月15日(火)は研修で国指定特別史跡・吉野ケ里を見学している。
23)木村秀明「第40回日本図書館学会・西日本図書館学会合同研究大会実施報告」『図書館学』61号p48
第1分科会 品川洋子 福永義臣 轟良子 第2分科会 二村健・平井歩 山本芳江 遠山潤・森茂樹 なお,貴会からは,第1分科会8名,第2分科会7組の発表があっている。
24)注21に同じ
25)築山信昭(当時佐賀龍谷短期大学)谷伍平(元北九州市長) 貴会からは,山口源治郎(東京学芸大学),糸賀雅児(慶應義塾大学)と司会の大串夏身(当時東京都企画審議室主査)
26)注4,『図書館学』6号「あとがき」
27)本会の記念行事は秋季研究発表大会及び春季セミナーで行う予定。
地方在住の一会員として
堀川 照代(島根県立島根女子短期大学)
学会には,大学院入学時の1983年に入会させていただきました。会員として20年経ちましたが,『学会年報』を読み,研究大会に参加するという程度の学会への関わり方は,当初からほとんど変わっていません。ここでは,(1)院生時代の思い出,(2)地方の一会員としての思い,(3)学校図書館研究と学会への期待,を述べさせていただこうと思います。
(1)院生時代の思い出
初めて参加した研究大会は,1983年10月に東洋大学で開催された第31回大会でした。当時の『研究大会発表要綱』をみると,1日目は1教室(1部会)のみで司会は「後藤純郎・長沢雅男」の両先生。2日目は2部会に分かれ,司会として「前島重方・河井弘志」と「椎葉もと子・田村俊作」の諸先生方のお名前があります。午後2時〜4時30分までのシンポジウムは,その年がJLAの講習から80年ということで「図書館学の教育」がテーマでした。同志社大学,東洋大学,鶴見大学,慶應義塾大学,天理大学の5つの大学の図書館学教育について,それぞれ青木次彦,和田吉人,田辺広,津田良成,高橋重臣の諸先生方が発表。司会は竹内さとる先生でした。ちなみに,『研究大会発表要綱』は,14発表のうち1発表を除いてすべて手書きでした。
当時の研究大会では,2日目の朝一番の聴講者が少ないことが現在よりも目立っていたようですし,懇親会やコーヒータイムに,著名な先生方のお姿を拝めるのが大変嬉しかったことを覚えています。開催大学の図書館見学ができるのが魅力のひとつであったのは現在も同様です。2日目昼食前に写真撮影がありましたが,あれはいつ頃からなくなったのでしょうか。
そのほかに月例研究会が土曜日の午後2時?5時に開催されていました。東京大学教育学部で行われることが多かったようですが,学外の参加者が少ないのが常で,これが学会の月例会というものなのかなと思っていました。大学院を中退して1988年に島根県の短大に移りましたが,会報によると1988年度の月例研究会は東京大学教育学部を会場にして6回,各回の発表者はひとりです。1989年度の月例研究会は4回。うち3回は東京大学教育学部で開催,1回は鹿児島大学附属図書館を会場に,西日本図書館学会,鹿児島県大学図書館協議会との共催で実施したということです。共催の月例研究会はどれくらいの回数開かれたのでしょうか。月例研究会は1991年1月26日を最後に,この年から春季研究集会が始まっています。
初めて学会誌に投稿させていただいたのは,修士論文をまとめたものです。当時は手書きの時代でしたので,審査の先生には大変読みづらいものだった思います。審査で指摘していただいた個所を修正するのに,全面書き換えの手間を省いて,その部分のみ切り貼りをして提出した覚えがあります。パソコンやメールが当然の現在とは隔世の感があります。
(2)地方の一会員として
島根県に来てから15年になります。ここに住むようになって「中央と地方」と言う対比で物事を考えるようになりました。中央では1大学に図書館情報学の研究者が複数いらっしゃるところも少なくなく,たとえ1大学に研究者がひとりとしても,大学数が多いので研究者同士の交流の機会が何かとあると思います。それに比べ,島根県の図書館情報学の常勤の教員は私ひとりしかいません。全国にこのような状況の県がどれくらいあるかわかりませんが,こうした状況では,学会で皆さんにお目にかかれることが大変刺激になります。
地方と中央(少なくとも島根県と中央)の文化・研究の進展や情報量・情報伝達速度等の差は大きく,私のように貪欲に情報収集しない者にとっては,知らず知らずのうちに図書館界の状況に疎くなっています。学会で皆さんの研究成果やお話を伺って,「田舎者」の烙印を自分に押して帰ってきます。が,こちらに戻ってくるとゆったりした時間と空間に身を委ね,もとのスローペースに安住してしまうのは私の性格のせいでしょう。
こちらで生活していると,学問の推進には焦点化と拡散化があるように思われます。中央の研究者は集中的に焦点的に研究を進め,その学問領域を創造し進展させていく働きがあるように思えます。他方,地方の研究者は地域とより密着しており,進展した学問を拡散し普及させていく働きがあるような気がしています。これは地方に住み研究をしていない言い訳かもしれません。
しかしこの状況は,インターネットやメールが利用できるようになって,すっかり様変わりしたことは事実です。学会会報のNo70(1993.9)には,この号から電子メール版会報を発行したとして,電子メール利用会員37名が列挙されていました。10年経った現在(2003.04.13)では,394名が名簿にリストされています。どこにいても,情報の世界への窓口が共通に公平に用意されている現在では,情報面に関して「地方と中央」の図式が崩れ,個人の責任が前面に押し出されてきた思いがしています。
地方に住んでいるがゆえに学会や研究大会など何のお手伝いをすることもなく,その恩恵に浴するばかりで申し訳ないと思っています。この間,少しでもお手伝いしたことと言えば,文献目録のデータ採取でした。児童サービスに関心のある者として,その領域の雑誌からデータを採取するお手伝いをしましたが,最初の意気込みはどこへやら,しだいに遅延気味となりとうとう辞退させていただく羽目となりました。現在,文献目録データベースをCD-ROMの形で購入できることは,非常に有難く思っています。ウェブ上の文献目録データベースの利用が現在休止中なのが大変残念ですが,このサービスが会員個人の作業の上に成り立っていることを考えればやむを得ないことでしょう。
また,外から学会をみているとその組織がわかりづらいので,役員の投票の際などに組織図を明示していただけたら有難いと思います。
図書館学教員を対象とした会合には,学会研究大会のほか全国SLAの研修会や,日本図書館協会教育部会の研修会や全国図書館大会分科会などが開催されていますが,諸都合によりなかなか参加できないのが悩みです。とくに学会研究大会と全国図書館大会は開催日が近いだけに両方参加することが難しくなっています。
(3)学校図書館関連研究と学会
学会の50周年を記念して科研費による共同研究がこの4月に発足し,その学校図書館グループに入れていただきましたが,他グループと比べると学校図書館を専門に研究する者が少ないように思われます。図書館学教員の多くが多数の科目を教えなければならないということが,個人の関心領域を分散させてしまうことにつながっているでしょうし,これまで学校図書館があまり機能していない状況であったために研究対象としてとりあげにくかったこともあるでしょう。
『図書館情報学研究文献要覧1970?1981』(日外アソシエーツ 1983)によると,「学校図書館(小学・中学・高校図書館)」の文献474件中に図書館学会年報に掲載の文献は18件(文献展望を4件含む),同様に1982?1990年の学校図書館関連文献265件中の6件(うち1件が文献展望)が学会年報に掲載。BIBLISによると1991?1997年の「学校図書館」「学校司書」「司書教諭」のいずれかを含む文献934件中の8件が学会年報に掲載されているという状況です。これらをまとめると,1970?1997年の28年間の学校図書館関連文献1673件のうち32件,約2%の文献が学会年報に掲載されています。1年に1.1件の研究論文数はとても満足いくものではありません。現在では,学校図書館法改正等により学校図書館に眼が向けられこの領域の研究が増えてきています。今後学会会員による学校図書館研究の割合がさらに増えて,研究が点として存在するのではなく,線となり蓄積されてその上に研究が展開していってほしいところです。
学校図書館に関しては,全国学校図書館協議会,日本図書館協会学校図書館部会,日本学校図書館学会など,多くの団体があります。例えば全国的なアンケート調査などは,各々で実施するよりは共同で行ったほうが効率的と思えますが,そのような働きかけ・連携が学会としてできるようになることを願っています。
また,学校図書館にかぎらず図書館界には,これまで「プライバシーの問題」を盾に,臨床的研究が受け入れられてこなかった感があります。「サービス」と「研究」は別物と考え,利用者および図書館を対象にした観察的研究等がもっとなされるべきだと思いますが,そうした研究方法に関して音頭がとれるのも学会であるように思われます。
最近,全国SLAの速報版に図書館情報学会の研究大会の情報が事前に掲載されるようになりました。全国SLAの会員・役員が図書館情報学会にも入会しています。当学会会員による学校図書館研究が注目されてきたゆえでしょう。また,図書館学会創立当時は,読書学会との関連が強かったように思われます。図書館情報学の領域のなかで,学校図書館および児童サービスの領域は大きな位置を占めてはいませんが,学校図書館や児童サービス関連の学協会等との連携が,学会としてとれるような状況が実現することを期待しています。
お 知 ら せ |
◆2004年度研究助成金の決定
すでに会報6月号でお知らせしましたように,2004年度の研究助成金については,従来とやり方を変え,1件ないし2件に30万円を限度として助成するということで,6月末締切で募集したところ,4件の応募がありました。研究委員会において,下に説明するような手順で審査した結果,次の1件に30万円を助成することに決定しました。
研究代表者:松林麻実子(筑波大学図書館情報メディア研究科)
研究題目:企業研究者のコミュニケーション・パターンと学術情報流通システムとの関連性
審査手順を説明します。
今回の審査では,あらかじめ評価基準を定め,委員長を除く研究委員全員が基準に従って採点した結果を合計して,得点の高い順に上位1件ないし2件(得点が近い場合)を助成対象とすることにしました。評価は,申請者が特定されないよう,氏名等個人が特定される情報を隠し,申請者名を知りうる立場にある委員長を外して行いました。
評価基準は科学研究費に準拠して,次のようなものにしました。まず,(1)研究目的の明確さ,(2)研究の独創性,(3)遂行可能性,(4)成果の公表可能性,(5)申請金額の妥当性,(6)研究組織の適切性,の6点について,それぞれ3段階で評価した後,5段階で総合点をつけました。最初の6点の評価は適切な総合点を導くためのものと位置づけ,審査には総合点のみを用いました。
◆文献目録委員会の郵送先アドレス訂正
前号の会報No.113 p.21に掲載しました「文献目録委員会から:抜刷送付のお願い」におきまして,抜刷送付先の郵便番号に誤りがありました。お詫びの上,訂正いたします。
(正)108-8345 東京都港区三田2-15-45
慶應義塾大学文学部 倉田 敬子
◆『日本図書館情報学会誌』投稿募集
投稿はいつでも受け付けております。会員の皆様,どうぞ,ふるってご投稿ください。投稿にかかわる要領等は,第50巻2号(2004年6月号)に掲載してありますので,ご参照願います。投稿規程が改定されていますので,新しい投稿規程に基づいて投稿されますよう,お願い申し上げます。
投稿原稿の送付先・連絡先は,下記の通りです。
〒150-8366
東京都渋谷区渋谷4-4-25
青山学院大学文学部 小田光宏方
日本図書館情報学会編集委員会
Email:
m-oda@cl.aoyama.ac.jp
BIBLIS 2の会員への頒布
BIBLIS 2は,会員の皆様だけに,3,000円で頒布しております。詳細は会報113号(2004年6月号)をご覧ください。また,10枚以上お申込みの場合は,事前にお問い合わせください。
申込方法:お名前,住所,必要枚数をお知らせください。
申込手段は,郵便,電子メール,FAXのいずれかでお願いいたします。
申込先 :日本図書館情報学会事務局
〒480-1197 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字片平9
愛知淑徳大学文学部図書館情報学科内
e-mail:muransky@asu.aasa.ac.jp FAX:0561-63-9308(村主宛)
送金方法:下記のいずれかによりご送金ください。恐れ入りますが,送金手数料はご負担ください。
1)郵便振替:
番号:00160-5-45759 名義:日本図書館情報学会
2)銀行振込:
番号:UFJ銀行(0011) 星ヶ丘支店(276)
普通預金(1) 1622294
名義:日本図書館情報学会 特別会計 会長
上田修一
◆図書館情報学関連団体からのおしらせ: |
情報メディア学会第6回研究会開催のお知らせ
情報メディア学会では,以下の要領で第6回研究会を開催いたします。多数のご参加をお待ちいたします。一般発表演題を含むプログラムは,10月半ば頃に同学会ホームページにて案内します。<http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsims/>
●日 時:2004年111月20日(土)
●会 場:駿河台大学 第2講義棟2階7204教室
〒357-8555 埼玉県飯能市阿須698 http://www.surugadai.ac.jp/
●プログラム概要(変更の可能性あり): 10:00 受付開始 10:30 開会
10:45 特別講演:波多野宏之氏(駿河台大学文化情報学部・教授)
演題「芸術と記録 ?アート・ドキュメンテーションはどこまで可能か?」
13:15? 一般研究発表 17:00 閉会
●参 加 費:会員 500円,非会員 1,000円(資料代を含む)
●参加申し込み方法:氏名,所属,連絡先(e-mail
address, TEL)を明記して11月17日までに下記へ。(当日受付も行いますがなるべく事前申込をお願いします)
情報メディア学会事務局 〒305-8550 つくば市春日1-2 筑波大学図書館情報メディア研究科内
E-mail: onodera@slis.tsukuba.ac.jp FAX: 029-859-1364
◆図書館情報学関連団体からのおしらせ: |
同志社大学図書館学司書課程創立50周年記念行事のお知らせ
(1)記念シンポジウム 10月10日(日曜)午後1時-5時 同志杜大学今出川キャンパス明徳館21番教室
内容:テーマ「図書館学教育・司書養成:過去・現在・未来」
パネリスト:岩猿敏生氏(日本図書館学会元会長),栗原均氏(日本図書館協会元理事長),高山正也氏(日本図書館協会図書館学教育部会元部会長,慶應義塾大学文学部教授),根本彰氏(日本図書館情報学会副会長,東京大学大学院教育学研究科教授) コーディネータ:大城善盛氏(同志社大学文学部教授) 司会:渡辺信一氏(同)
(2)同志杜ライブラリアンズフォーラム(DLF) 10月11日(祝日)午前10時-12時 同志社大学今出川キャンパス明徳館1番教室
内容:テーマ「図書館員の専門性」
パネリスト:村岡和彦氏(大阪市立北図書館長),竹島昭雄氏(栗東市立図書館長),松田泰代氏(京都大学農学研究科学術情報掛長),後藤慶太氏(奈良女子大学附属図書館情報サービス係長) コーディネータ:伊藤昭治氏(元・阪南大学教授)
(3)記念講演会 10月11日(祝日)午後1時-5時30分 同志社大学今出川キャンパス明徳館21番教室
演題:絵本は声の文化一ブックスタートのもつ意義
講師:松居直氏(福音館書店相談役,国際子ども図書館を考える全国連絡会会長,NPOブックスタート理事長)
・講演に先立ち,ビデオ「ブックスタート」上映。大型スクリーンによる記念講演の中継を,明徳館1階1番教室で予定。お子様同伴の方も,ご遠慮なくご参加ください。
・事前のお申し込みは・「祝賀パーティ」を除いて不要です。ご不明の点などございましたら,ご遠慮なくTEL/FAX:075-251-3229(司書課程資料室渡辺)まで,お尋ねください。