日 本 図 書 館 情 報 学 会 会 報 No.115 HTML版 2005年1月 日本図書館情報学会事務局 〒480-1197 愛知県愛知郡長久手町
大字長湫字片平9 愛知淑徳大学文学部図書館情報学科内 電話:0561-62-4111(内線455) FAX:0561-63-9308(村主宛)
事務局長e-mail: muransky@asu.aasa.ac.jp 学会ホームページ: http://wwwsoc.nii.ac.jp/jslis/index.html 郵便振替口座:00160-5-45759 (口座名義=日本図書館情報学会) |
No.115
HTML版 内容一覧
■2005-2007年度役員選挙結果報告
■2005年度春季研究集会の開催と発表募集のお知らせ
■図書館情報学文献目録データベース検討会について(報告)
■研究助成金の助成条件の確認について
■学会創立50周年記念誌から
◆学会50周年に寄せて 塩見 昇(大谷女子大学)
■おしらせ
◆学会賞・学会奨励賞の報告
◆第53回日本図書館情報学会研究大会会場について(速報)
◆委員会異動 《学会賞選考委員会》
◆『日本図書館情報学会誌』投稿募集
◆異動(名簿記載事項変更)について
■BIBLIS 2の会員への頒布
■LIPER関連行事のご案内
◆小研究会:最近のイギリス図書館情報学教育事情
■図書館情報学関係教員公募のおしらせ:筑波大学図書館情報メディア研究科
2005-2007年度役員選挙結果報告
2004年12月25日
日本図書館情報学会選挙管理運営委員会
委員長 武者小路信和
委 員 池内淳,石田栄美,越塚美加,三浦太郎
2005-2007年度役員選挙結果報告
役員選挙の結果を以下のとおり報告いたします。
1.選挙の日程
理事候補者の推薦を求める文書と会員名簿の発送 :2004.9.15(水)
理事候補者の推薦締切 :2004.9.29(水)
選挙公示(会長,理事,監事の選挙)<投票用紙の発送>:2004.10.11(月)
投票締切 :2004.10.27(水)
開票 :2004.10.30(土)
選挙公示(副会長,常任理事の選挙)<投票用紙の発送>:2004.11.15(月)
投票締切 :2004.11.25(木)
開票 :2004.11.27(土)
2.理事候補者の推薦結果
4名の正会員より17名(延べ20名)の理事候補者の推薦がありました。
3.会長選挙開票結果
★HTML版会報では割愛します。
*有効投票数;116, 白票;6, 無効票;0, 合計122
4.理事選挙開票結果
★HTML版会報では割愛します。
*有効投票数;581, 白票;29, 無効票;0, 合計610
注)得票数が同数の場合は,選挙管理運営規定第7条4)「当選となる得票数が同数となった場合には,当該の役職について,この時点までの連続当選回数の少ない者を上位とし,なお順位のつかない場合には抽選とする。」によった。
5.監事選挙開票結果
★HTML版会報では割愛します。
*有効投票数;105, 白票;14, 無効票;3(石山洋), 合計122
6.副会長選挙開票結果
★HTML版会報では割愛します。
*有効投票数;20
7.常任理事選挙開票結果
★HTML版会報では割愛します。
*有効投票数;94, 白票;1, 無効票;5(田村俊作3,村主朋英2), 合計100
8.新役員一覧
会 長:上 田 修 一 理 事:糸 賀 雅 児
渡 辺 信 一
副会長:根 本 彰 柴 田 正 美
田 村 俊 作
常任理事:倉 田 敬 子 石 井 啓 豊
永 田 治 樹 高 山 正 也
小 田 光 宏 村 主 朋 英
岸 田 和 明 川 崎 良 孝
北 克 一 斎 藤 文 男
波 多 野 宏 之
監 事:藤 野 幸 雄 志 保 田 務
古 賀 節 子 伊 藤 昭 治
志 村 尚 夫
戸 田 あ き ら
藤 森 馨
以 上
◆◆◆ 2005-2007年度役員選挙結果報告 おわり ◆◆◆
2005年度春季研究集会の開催と発表募集のお知らせ
2005年度の春季研究集会を下記の要領で開催します。研究発表申込の受付を開始しますので,
<発表募集要領>および<研究大会・春季研究集会における発表のルールについて>をよくお読みの上,ふるってご応募ください。
研究集会プログラムの発表と参加申込の受付とは,4月刊行予定の会報で行います。春季研究集会関係の情報は,学会のホームページでも随時提供します。
会員多数のご参加をお待ちしております。
記
日 時:2005年5月28日(土) 10:00〜17:00 (時間は変更される可能性があります)
場 所:専修大学神田校舎
〒101-8425 東京都千代田区神田神保町3-8
(水道橋駅(JR)西口より徒歩7分
九段下駅(地下鉄/東西線,都営新宿線,半蔵門線)出口5より徒歩3分
神保町駅(地下鉄/都営三田線,都営新宿線,半蔵門線)出口A2より徒歩3分)
参加費:会員1,000円,非会員2,000円
<発表募集要領>
応募資格:日本図書館情報学会の正会員および学生会員(共同発表の場合,筆頭発表者が正会員または学生会員であること)
発表時間:1件30分(発表時間20分,質疑応答10分)
申込方法:「2005年度春季研究集会研究発表申込書」【(Word版)/(Text版)】に必要事項を記入の上,下記研究委員会春季研究集会担当宛に電子メールか郵便でお送りください。なお,受理された申込書はWeb上で公開する予定です。あらかじめご承知おきください。
申込締切: 2005年3月11日(金)
発表要旨の提出:発表することが決まった場合には,A4判で4枚の発表要綱を作成し,2005年4月28日(木)までに原稿を専修大学内春季研究集会事務局宛に送っていただきます。
発表のための機材:実物投影機(OHC)およびパソコンによるディスプレイ(Power Point)装置が使用可能です。
<日本図書館情報学会研究委員会春季研究集会担当>
〒108-8345 東京都港区三田2-15-45 慶應義塾大学文学部 田村俊作気付
TEL & FAX 03-5427-1222 E-mail:tamaran@slis.keio.ac.jp
<研究大会・春季研究集会における発表のルールについて>
研究大会および春季研究集会は次のようなルールの下に統一的に運用されています。発表希望者はルールをご確認の上発表申込をしてください。
(1) 個人会員(正会員・学生会員)は研究大会および春季研究集会において同様に発表の権利をもつ。
(2) 研究発表は他で公表していないオリジナルなものに限るものとする。
(3) 個人会員が一度の研究大会あるいは春季研究集会において個人発表および共同発表の筆頭発表者となることは,合わせて1回を原則とする。
(4) 共同研究の筆頭発表者は個人会員でなければならない。
(5) 発表要綱の原稿は,発表内容を論文の形式で記述するものとする。
(6) 発表プログラム公表後のプログラムの変更は原則として認めない。
図書館情報学文献目録データベース検討会について(報告)
文献目録委員会
BIBLIS検討会を2004年10月29日(金)に開催した。BIBLISのこれまでの経緯,現在の作成プロセス・現状と問題点に関して報告がなされた後,質疑応答がなされた。その結果,以下のような方針が決定された。
1)BIBLISは新しい試みを行いながら来期も継続する。
2)CD-ROMでの配布を提供の中心とする考えから,Webでの提供を基本とする形へ変更する。
3)若手を中心に文献目録委員会の委員の増員を図る。
4)収録雑誌だけに留まらないBIBLISの総合的評価を行う。
この基本方針の決定を受け,文献目録委員会は平成17年度の科学研究費成果公開促進費(データベース)の申請を行うとともに,Webでのデータ提供の体制や問題点に関する検討を開始した。
研究助成金の助成条件の確認について
研究委員会
会員から,助成条件を充足できないことを理由とする研究助成金の自主的な返還について申し出がありました。
研究委員会では,申し出を受けて,1.これまでの研究助成対象者に対する助成条件の充足状況の調査と,充足していない対象者に対する措置,2.助成条件を満たしていなかった場合,助成金の自主的な返還を認めるか,という2点について協議し,次のような方針を決めました。
この方針は,研究助成金について,適正な支出を図り,会員の研究活動を振興するという助成の目的を果たすために,研究委員会の活動を見直すことを狙いとしています。どうか趣旨をおくみとり下さり,研究活動の振興に向けて,一層ご理解・ご協力下さいますようお願い申し上げます。
1.これまでの充足状況と充足していない対象者に対する措置
(1)助成条件の変化
助成条件について,学会の方針はこれまで2度大きく変わっている。
1998年度以前は「研究成果を学会年報,研究大会,春季研究集会等で3年以内に発表すること」とあるだけであった。
1999年度から2003年度までは,「3年以内に研究大会あるいは春季研究集会で口頭の報告をし,かつ,『日本図書館情報学会誌』に投稿する」となった(1999年度のみ,「『論集・図書館情報学研究の歩み』20集に応募して執筆する」かのどちらか一方を選べるようになっていた)。
2004年度からは,「3年以内に『日本図書館情報学会誌』に投稿すること」となった。
(2)充足状況
1998年度以前については,そもそも充足条件が不明確なので,充足しているかどうかが明らかでないが,疑わしいものはある。
1999年度から2001年度まででは,学会誌への投稿の点で助成条件を満たしていなかったと思われるケースが若干あった。
(3)対応措置
これまでも編集委員会に問い合わせるなどして,充足状況のチェックはしてきたが,特別な対応措置はとってこなかった。この点については率直に反省している。
そこで,現研究委員会の残任期間中に次のような措置をとって次期委員会に引き継ぎたい。
a.1998年度までの分については,何もしない。条件が緩いために,発表したかどうかの確認が難しいし,すでに相当の年月が経過している。
b.1999年度〜2001年度で未充足と思われる助成対象者には,論文を投稿したかどうか尋ねた上で,未だの場合には,2005年度中に投稿するように促す。2005年度中の投稿がない場合は,2006年度以降3年間応募を遠慮していただくよう次期委員会に申し送る。
c.2002年度の助成対象者には,発表・投稿状況を尋ね,2005年度中に条件を満たすように促す。条件を満たせなかった場合には,2006年度以降3年間,応募を遠慮していただくよう次期委員会に申し送る。
d.2004年度の助成対象者に対しては,2007年度末までに投稿すること,投稿しなかった場合には,2008年度以降3年間応募を遠慮していただくこと,研究の遂行上で問題が多いと認められる場合には,助成金を返還していただくこともあり得ることを年度末に伝える。
(補足)
2003年度は助成対象者がいなかった。
これまでの助成条件の趣旨が発表を促すことにあったことを考慮して,対応措置も発表を促すことに主眼をおいた。ただしbとcについては,約束不履行のため,一定期間,新規の申請を遠慮していただく。その期間を3年としたのは,委員会の任期にあわせたためである。次期委員会の任期を越える期間にまで及ぶようなことを申し送るのは実際的でないと考える。
dについては,助成額を引き上げたこともあり,現在進行中の研究なので,この条件でよいのではないかと考えた。なお,今後については,毎年度末に充足状況をチェックすることや,助成対象者と委員会との間で助成条件について文書を交わすこと,などを検討事項として次期委員会に申し送る。
2.自主返還の申し出に対する対応
2003年度までの助成条件の狙いは発表を促すことにあり,金銭的な罰則は想定されていなかったことを考えると,強制であれ自主的なものであれ,これまでの助成分に対し金銭的な対応することは好ましくないと思われる。そのため自主返還には応じないで,あくまでも,発表を促すことを基本原則として対応してゆく。
以上
学会創立50周年記念誌から
事務局から:『日本図書館情報学会創立50周年記念誌』に対するご寄稿の一部をNo.112以降再録してまいりましたが,掲載は今回が最後となります。なお,記念誌は在庫がなくなりましたので,未入手の方は国立国会図書館・各都道府県立図書館のOPACおよびWebcat等をご参照の上,各図書館にてご覧いただければ幸いです。学会ホームページにも,一部(略史・資料編)が掲載されております。
学会50周年に寄せて
塩見 昇(大谷女子大学)
1980年代初期から90年代前半にかけて数期理事(評議員)に名を連ねたことがあるが,あまりこれという仕事をすることなく,会員歴だけは長く重ねて現在に至っている。入会は手元にある『学会年報』の所蔵からみて1973年であったかと思う。図書館の現場から大学に転じたのが1971年春のことであり,その少し後だったのだろう。それまでは図書館問題研究会,日本図書館研究会(日図研)を場に活動をしていたが,大学教員に転じた機会に学会へも,ということになったのかと思う。今回50周年を迎えた本学会の記念誌への寄稿を求められた機会に,断片的にはなるがいくらかのかかわりを振り返ってみたい。
学会の運営・活動に関して私が直接にかかわりを持ち,印象に残ることといえば,1976年の第24回研究大会を日図研と合同の大会として大阪で開催したことがある。私が日図研の研究委員長をしていた時期であり,日図研の創立30周年記念大会にも当たっていた。 二つの大会を併せ行うということから,11月17〜19日と3日間の日程をとり,大阪市中央公会堂を会場に,いつものような個人研究発表,日図研の研究グループ発表,それにシンポジウム「図書館員形成を考える」をセットし,両組織の長老である小倉親雄先生に「図書館学とライブラリー・エコノミー」と題して記念講演をお願いし,充実した研究大会とすることができた。
これより先,1970年10月に第18回総会及び研究大会が大阪府立青少年会館で開かれた際,これに日図研が協力するということがあった。当時,私はまだ日図研の活動のほうでも研究委員会の一員であった程度で,このこと自体には何のかかわりがあったわけでもないが,この機会に学会役員と日図研理事会メンバーとの懇談の場が持たれた(10月7日)。こうしたことが契機になって,日図研と学会の関係をより緊密なものにしようという動きがあった。ちょうどこの時期,日図研では会員の増加に対応して組織運営のあり方が検討され,理事定数の拡大とその一部に推薦制を取り入れる会則改正を行っていた。この制度を活用して1971〜72年度理事に学会の役員でもある東京のメンバーに加わってもらおうということになり,石山洋さん(当時国立国会図書館)が理事会に参加されるようになった。私もこのときから日図研の理事会メンバーに加わることになった。
そのようなこともありメンバーにかなりの変動があってスタートした1971−72年度日図研理事会の早々に,高橋重臣事務局長から両組織の合併という話題が提起され,理事会でいくどかそのことを議論したことがある。そうした話が出る直接の要因は,学会の運営が財政状況も含めてなかなか難しくなっているという事情もあったようだが,図書館学研究の力を分散させず,大同団結で活性化を図ろうということが主たる理由として挙げられていた。『図書館界』第23巻2号の「提言」欄に石山さんが「図書館学研究者の結集のために」を寄せてその趣旨を述べている。合併の形としては,「会勢からいえば,日図研が学会を吸収するのが常道かと思われる。しかし・・・名称には「学会」の方を生かしたらどうかと思う」と提起されていた。
この話に私は懐疑的で,幾人かのメンバーとともに,そういう大きな問題が一部の幹部の発想だけで,会員のあずかり知らないままに話し合われること自体がおかしい,両団体は会員構成や性格もかなり違うし,特に日図研としては合併して「学会」の名称を引き継いだところでなんらプラスになることはない,と反対した。この趣旨は,次号の『図書館界』の「提言」に「日図研と学会は違う」として少し気負った文章を寄せている。結局これがこの論議にピリオドを打つことになり,以後,合併論議は沙汰やみとなった。当時どれだけの人がこの件に関与し,賛同していたのかは知らないが,あまり後味のよい話題だったという印象はない。
1981年に初めて評議員に選出され,3期続けた後,1986年の規約改正によりそれまでの理事—評議員という役員体制が常任理事—理事体制となったことから,新制度の1987-89年度理事を務めることになった。岩猿先生が理事長を務められた時代である。
理事会に出席するために幾度か東大の構内に出向いた。私はそれまであまり東大に足を運んだことはなかったように思うが,理事会に出るついでに教育学部の図書館に幾度か立ち寄り,資料利用の便宜を図っていただいた。学校図書館の歴史研究に力を注いでいたころで,教育学者の伊ケ崎暁生さんの奥さんが司書でおられて,ここでしか入手しにくいいくつかの資料(雑誌のバックナンバーなど)の閲覧でご親切な配慮をいただき,ありがたいことだった。理事会には,理事の多選を制限する規定改正がなされた1995年まで3期続けたのかと記憶するが,理事会でいろいろ発言はしたものの,冒頭にも書いたようにあまりこれという貢献はできないままだったように思う。
『論集・図書館学研究の歩み』及びそれとも関連が深い研究大会シンポジウムについて,若干のかかわりを持ったことがある。『論集』の第1集は「図書館学の研究と教育」をテーマにしているが,それは1980年10月に開かれた第28回研究大会のシンポジウムの発表を主軸にした内容となっている。裏田先生がリードされて,藤野さん,河井さんと私が標記のテーマを分担して発表した。事前の打ち合わせにより,私は,図書館学研究を図書館現場における実践,図書館運動との関連を主として発言すること,「教育」の面により重点をすえた内容を取り上げることになった。シンポジウムの中で,進行役だった裏田先生が,「ユーザー・オリエンテッドな研究・教育だ」といった趣旨のコメントをされたのを記憶している。
『論集』ではその後,第8集の「日本における図書館行政とその施策」の特集で「図書館運営への住民参加」を求められて寄稿した。日図協から出した森耕一編『図書館法を読む』で図書館協議会のことを書いていたこと,図書館づくりへの住民参加について関心の強い時期であり,その種の発言を多く重ねていたこともあり,このテーマでこの時期にまとまった文章を書くことになったのは,私にとってもタイムリーなことであった。「図書館協議会など制度的参加を中心に」という副題をつけ,住民参加を幅広くとらえ,それをいくつかのパターンに区分し,その特徴と意義を考察する内容で構成した。
そのほかにシンポジウムに参加して司会あるいはコメンテーターとして発言するように依頼されたことが2回あったかと思う。一度は,「戦後公共図書館と中小レポート」を取り上げた第41回大会(1993年)で,討論部分の進行を担当した。いま一度は比較的最近のことになるが1997年の同志社大学における第45回大会における「情報社会における子どもと図書館」をテーマにしたシンポジウムである。ヤングアダルト・サービスの研究に先鞭をつけ,意欲的に活躍していたが若くして亡くなった半田雄二さんの最後になる仕事だったかと思うが,彼が軸になって企画・進行した討論に加わり,学校図書館のことにもふれての発言をした。
戦後になって全国規模での本格的な研究組織を持つに至った日本の図書館(情報)学研究であるが,日図研が1998年に50周年を迎え,いま本学会が50周年を迎えることになった。この間,図書館学が研究の対象とする図書館事業そのものが顕著な発展を遂げ,同時に,そのことのゆえに新たな課題や厳しい状況に直面するに至っている。それを克服して斯界の一層の発展を切り拓くためには,実践の場のさらなる創意工夫,意欲的な試みと真摯な努力の蓄積がなされ,それを励まし,確信と展望を与える研究成果との緊張関係が不可欠である。そうした図書館学研究の進展がとりわけ望まれるときである。
私は先にもふれた1980年のシンポジウムで,図書館学研究・教育者を第一世代,第二世代という言い方で取り上げているが,その線上で言うなら,今や第三世代が中心を占める時代になっている。学会の運営面でもそうだし,研究発表などでもそう言えよう。後期課程や社会人(現職者)が就学できる条件を備えた大学院研究科の整備も徐々に進み,研究者としての基礎的訓練を積んだ人材が増えている。しかしそのことは,他方で,図書館現場の実践との真摯な切り結びの直接的な経験が薄いものとなりがちなのは避けがたい。それをどのように研究活動の中で主体的に引き寄せていくかは第三世代にとっての大きな課題であろう。今後の学会運営において,そうした点への目配りにも留意願いたい。
50周年を機に,日本図書館情報学会ますますの発展と充実した研究成果の蓄積,真摯な討論と交流の進展を期待したい。
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お 知 ら せ |
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◆学会賞・学会奨励賞の報告
2004年11月7日の理事会において,第33回(2004年度)の学会賞・学会奨励賞について学会賞選考委員長より報告があり,審議の上承認されました。同日の臨時総会終了後,授賞式をおこないました。授賞作は下記の通りで,詳しくは『学会誌』にて報告されます。
記
・学会賞 授賞作なし
・学会奨励賞
野口武悟氏(筑波大学大学院図書館情報メディア研究科)
授賞作「盲学校図書館における地域の視覚障害者に対する図書館サービスの構想と展開:学校図書館法成立期前後から1960年代の検討を通して」(『日本図書館情報学会誌』Vol.49, No.4, December 2003(通巻156号)pp.156-171.)
◆第53回日本図書館情報学会研究大会
会場について(速報)
2005年度の研究大会は,三田図書館・情報学会との合同大会となります。慶應義塾大学三田キャンパスを会場として開催予定です。
スケジュールや会場の詳細,および研究発表の募集は2005年6月号会報にて行ないます。
◆委員会異動
《学会賞選考委員会》
★ 委員長 + 新任(2004年度委員)
+石川徹也氏(筑波大学)
+小黒浩司氏(作新学院大学)
小田 光宏(青山学院大学=編集委員長)
+高橋昇氏(九州女子大学)
田村 俊作(慶應義塾大学=研究委員長)
★根本 彰(東京大学)
+細野公男氏(慶應義塾大学)
+緑川信之氏(筑波大学)
◆『日本図書館情報学会誌』投稿募集
投稿はいつでも受け付けております。会員の皆様,どうぞ,ふるってご投稿ください。投稿にかかわる要領等は,第50巻2号(2004年6月号)に掲載してありますので,ご参照願います。投稿規程が改定されていますので,新しい投稿規程に基づいて投稿されますよう,お願い申し上げます。
投稿原稿の送付先・連絡先は,下記の通りです。
〒150-8366 東京都渋谷区渋谷4-4-25
青山学院大学文学部 小田光宏方
日本図書館情報学会編集委員会
Email: m-oda@cl.aoyama.ac.jp
◆異動(名簿記載事項変更)について
(1)転居・人事異動等による名簿記載事項の変更がありましたら,お早めにおしらせください。その際,電子メールアドレスの変更についても(もしあれば)お忘れなく。会費納入の際に通知される場合は,「通信欄」に明記 してください。
(2)学生会員となるには,常勤の職を持たないフルタイムの学生である必要があります。修了・卒業等で学籍を離れた場合,学生会員となる資格を失うことになりますので,ただちに(遅くとも各年度5月末までに)ご連絡ください。なお,修了・卒業後に研究生となる場合は学生会員に留まることができます。以上の点を,学生会員の所属する機関の関係者もご留意いただければ幸いです。
(3)退会は会計年度を考慮の上,ご通知ください。今年度(2004年度)末を以て退会される場合は,2005年3月末までに(遅くとも2005年度の会費請求の始まる2005年5月末までに)ご連絡ください。
(4)電子メールアドレスを取得されましたら,ぜひ事務局(muransky@asu.aasa.ac.jp)までご一報ください。会報電子メール版(通常版/速報版)をお送りするほか,メールアドレスを公開している会員の名簿を送付します。また,事務局との連絡・通信も電子メールが最も効率的です。
メールアドレスをおしらせくださるときは,以下の点を明記してください。
1)名簿への記載の可否
2)紙媒体の会報の要・不要
何も註記がない場合は,「メール版と紙媒体の会報の両方を希望,名簿記載可」と解釈します。
BIBLIS 2の会員への頒布
BIBLIS 2は,会員の皆様だけに,3,000円で頒布しております。詳細は会報113号(2004年6月号)をご覧ください。また,10枚以上お申込みの場合は,事前にお問い合わせください。
申込方法:お名前,住所,必要枚数をお知らせください。
申込手段は,郵便,電子メール,FAXのいずれかでお願いいたします。
申込先 :日本図書館情報学会事務局
〒480-1197 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字片平9
愛知淑徳大学文学部図書館情報学科内
e-mail:muransky@asu.aasa.ac.jp FAX:0561-63-9308(村主宛)
送金方法:下記のいずれかによりご送金ください。恐れ入りますが,送金手数料はご負担ください。
1)郵便振替:
番号:00160-5-45759 名義:日本図書館情報学会
2)銀行振込:
番号:UFJ銀行(0011) 星ヶ丘支店(276)
普通預金(1) 1622294
名義:日本図書館情報学会
特別会計 会長 上田修一
※2005年4月に事務局が移動します。新事務局の対応については未定であり,また,少なくとも申込先アドレスや振込先銀行口座がかわりますので,予めご承知おきください。お急ぎの場合は3月中旬までに上記へお申し込みください。
LIPER関連行事のご案内
LIPERの本年度最後の小研究会が下記次第で開催されます。LIPERは,日本図書館情報学会のメンバーが中心となって3年計画で行っている研究プロジェクトで,図書館情報学教育の再検討を目的としています。
記
テーマ:最近のイギリス図書館情報学教育事情
主催:情報専門職の養成に向けた図書館情報学教育体制の再構築に関する総合的研究研究班(LIPER)
日時:2月12日(土)午後2時〜4時
場所;東京大学(本郷)教育学部 第一会議室
話題提供者:
Sandra Parker氏(ノーサンブリア大学大学院情報研究科)
小田光宏氏(青山学院大学文学部)
司会:
永田治樹氏(筑波大学大学院図書館情報メディア研究科)
Webページ: <http://wwwsoc.nii.ac.jp/jslis/liper/event.html>
*イギリスの図書館員養成についてはある程度知られているが,CILIP発足以降の状況についてはよく分からないところも多い。この研究会では,昨年秋から筑波大学知的コミュニティ基盤研究センターで半年間外国人研究員を務めているサンドラ・パーカー氏と,昨年3月にイギリスの図書館員養成教育の調査を行った小田光宏氏に最新の図書館員養成の状況をお聞きする。
(使用言語:英語および日本語)
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◆図書館情報学関係教員公募のおしらせ
※掲載依頼のありました教員公募をご案内します。応募書類等詳細については <http://jrecin.jst.go.jp/> 等をご参照ください。
機関・部署名:筑波大学 図書館情報メディア研究科 <http://www.slis.tsukuba.ac.jp/grad/>
研究分野/専攻領域:図書館情報学/知識集積マネージメント;知識集積(データベース,電子図書館,ハイブリッド図書館)の設計・構築・利用・評価に関する教育・研究
職種:教授または助教授 1名 着任時期: 2005年10月1日
担当授業科目:図書館情報専門学群(学部)ディジタルライブラリー,データマイニング
図書館情報メディア研究科(大学院博士前期課程)知識集積管理論,実験・演習
図書館情報メディア研究科(大学院博士後期課程)知識集積管理研究等
応募資格:博士の学位を有する者,またはそれと同等の学識を有する者
年齢:制限なし。ただし,本学の定年退職予定期日は,満63才になった日の属する年度の末日。
応募〆切: 2005年3月31日
選考方法:書類選考のほか,面接を行う場合がある。
照会先:305-8550 茨城県つくば市春日1-2 筑波大学大学院図書館情報メディア研究科長 薬袋秀樹
電話 029-859-1334(ダイヤルイン) FAX 029-859-1334