============================================================================             日 本 図 書 館 学 会 会 報              No.86(WWW版)               1997年9月 ◎「WWW版会報」の内容は、印刷発行の会報と一部異なることがあります。 ============================================================================ ◆1997年度日本図書館学会臨時総会のお知らせ 会員各位                            日本図書館学会会長                              長 澤 雅 男 1997年度臨時総会を下記のとおり、第45回研究大会の第2日目に開催いたしますの で、ご案内申し上げます。会員各位におかれましては、多数ご出席下さいますよう お願いいたします。  なお、総会の議事終了後、同会場において、1997度学会賞ならびに奨励賞の授与 式を行います。 記    日時 1997年11月3日(月)13:20〜14:20    会場 同志社大学今出川キャンパス明徳館21番教室(京都府京都市)    議事 1 1997年度定例(通信)総会の議案投票結果について       2 その他 ◆1997年度日本図書館学会定例(通信)総会の投票結果   投票総数 208   有効投票 196               無効投票  12(期限無効)                     (1997年6月26日の消印までを有効とした)                             賛   否   計 第1号議案 1996年度事業報告 195   1 196 第2号議案 1996年度会計報告および会計監査報告 196 0 196 第3号議案 1997年度事業計画案 196 0 196 第4号議案 1997年度予算案 196 0 196 日本図書館学会規約第11条第1項(全正会員の5分の1)により総会は成立し、同 2項(出席会員の過半数)により全議案は承認され、成立いたしました。 §寄せられた会員のご意見と常任理事会の回答§ 【定例総会の運営】 《意見》第3号の1の(2)の年が1996となっています。1997ですね。 《回答》記載ミスを致しました。正しくは「1997」です。来年度以降ミスを残さな  いよう一層注意いたします。 《意見》会勢、運営方針について会長見解を掲げてほしい。 《回答》来年度からご意向にそうようにしたいと考えます。 【予算】 《意見》97年度予算案中、入会金30人分計上していますが、会費の計上も必要と思  います。バランスがとれません。 《回答》来年度の予算案より、新入会員の会費収入を計上することにいたします。 《意見》予算、決算について、数字の羅列だけでなく、説明をつけてほしい。 《回答》事業報告、事業計画と併せてご覧いただくことにより、大方は理解いただ  けるとは存じますが、来年度以降、従来とは異なる執行などについて、できるだ  け説明を加えるよういたします。 《意見》JLA貸料3000円は協定額としても会員が利用だけにギモン。 《回答》学会では、普段は使われない古い資料を保管するために、JLA事務局のス  ペースを一部借用し、その借料として毎月3,000円を支払っています。学会の会  員の中にJLA会員がいるといっても、別組織の活動のための借用ですので、借料  の支払は当然のことと考えています。 【学会年報】 《意見》学会誌刊行助成金の獲得に一層の尽力を要請する。 《回答》1994年度までは文部省の学会誌刊行助成金(科学研究費補助金)を受けて  きましたが、1995年度以後は、申請はしておりますが、受けることができません  でした。今後、助成金を受けられるように鋭意努力したいと思います。 《意見》学会の会計年度と学会年報の調整について:4月〜3月ですから、3月に新し  い巻号で発行するのは如何なものか43-1(97年3月)、44-1(98年3月)のように。 《回答》編集委員会で検討しましたが、ご指摘のような意見がある反面、現行の方  式のがよいという意見もありますので、当面現状通りにしたいと思います。 【研究大会/集会】 《意見》九州の方でも研究会を開催して下さい。 《意見》九州地区でも研究集会をもっていただきたい。 《回答》学会が主催する行事には、秋に開催される研究大会、春に開かれる春季研  究集会、それ以外に今年の特別研究集会のように随時開催されるものがあります。  これまでの慣例で、春季研究集会は研究委員会、それ以外の行事は企画委員会が  運営を担当するということになっております。他方、研究大会は、会員のかたに  交代で会場校をお引き受けいただいております。現在、1999年秋の研究大会を首  都圏以外で開催したいと考えております。研究大会をお引き受けいただける会員、  あるいは可能性を検討いただける会員がいらっしゃいましたら、学会事務局まで  ご連絡ください。また、春季研究集会やそれ以外の行事についても開催地等のこ  とで具体的にご要望がありましたら、同様にご連絡ください。 《意見》特別研究集会(9.13)は学会として異例の企画と思いますが、大変重要な  判断と思います。 《意見》9月13日JLA学会2日めに接続というのは便利そうだがウンザリの感あり。 【文献目録】 《意見》「図書館情報学文献目録」の累積版の刊行を心待ちにしております。 《回答》1995年版の刊行が遅れご迷惑をお掛けしております。刊行を軌道にのせる  べく努力いたします。 ◆「学会名称に関するアンケート」結果報告  会報85号で実施し、「学会名称に関するアンケート」の集計結果と寄せられたご 意見をご報告いたします。正会員に対しては定例総会と合わせて実施をしましたが、 集計にあたっては、総会の締切以降に到着した回答も含めてあります。  アンケート結果をご覧の上、改めてご意見をお寄せ下さい。順次会報に掲載した いと思います。アンケートの結果および会員の皆様のご意見をふまえて、常任理事 会および理事会で今後の対応を検討する予定でおります。 《集計結果》 正会員  学生会員  合計   回答総数    208    15    223   1.変更しない            72     4     76   2.変更する             128    11    139     a.日本図書館情報学会      122    11    133     b.その他             3     0     3         日本図書館・情報学会    2     0     2         図書館情報学会       1     0     1     ab無記入             3 0 3   3.棄権/保留/執行部一任/無記入   8 0 8 《ご意見》  ◇:正会員   ◆:学生会員 【変更しない】 ◇情報という言葉が文系でどういう意味かは存じませんが、論文誌をみる限り、理  工系でいう情報(Shannonの情報理論からの流れやコンピュータによる管理など)  とは無縁の内容なので。それとも今後はそれらも扱うのでしょうか。 ◇“図書館学”という名称で、充分に新しい分野の研究活動の領域を含んでいると  考えるので、改称の必然性がない。 ◇わざわざ「情報」を入れなくても、図書館学には含まれていると思います。 ◇昨今「情報」と名称につく会がかなり多いので、敢えて変更しないのも、ひとつ  の選択かと思われます。 ◇コンピュータライゼイションによる図書館サービスに変化はありましたが、究極  的にはより良い図書館サービス提供のためなので、最近になって変えなくても良  いのではないかと云う気持ちが強くなって来ました。 ◇総意にしたがいます。 ◇“図書館”は、その本質に元来“情報”を含んでいるので、変更の必要はない。  ことさら“情報”を使うことで、本質から遊離していくことを危惧いたします。 ◇NDLでは図書館研究所設立の時、あえて“図書館”だけにした。英訳の方に考え  が出ているらしい(丸山昭二郎氏の説)。ご参考に。 ◇変更により経費がかかることが心配です。手間もかかります。変更が決まります  ならa案に賛成します。 ◇図書館の資料(各種メディア)を提供することで情報サービスとなる。図書館=  ライブリラの意味は紙一本ではなくなっている。しかしライブリの意義は不変で  新しい。 ◇変更する必要はないと思います。“図書館”という言葉の中に、“情報”も含ま  れているでしょうから。“情報”は単なる流行に乗っただけのように思えます。 ◇あくまで日本図書館学会として存続したいものです。 ◇伝統ある学会名は変えない方がよいと思います。 ◇現在の会員の大部分の関心範囲は「図書館学」にあると思う。 ◇現在の名称に固執する者ではありませんが、将来の展望を明確にした上で改称す  るべきです。 ◇aの名称が候補として出されている理由が、説明からわかりません。「時代」に  即した名称というなら安易です。 ◇変更の必要性は特に感じない。過去の出版物との関連上、団体名の変更はかえっ  て混乱があるのではないか。 ◇ぜひとも変更せねば、とは思いません。あえて反対もしませんが... ◇10年前ならともかく、インターネットばかりの現在“情報”の語をつけるのは学  会の学術性に反するのではないでしょうか。 ◇「図書館情報学」の定義を学会として明確にする必要がある。 ◇単に会名の変更にとどまるのか、学会の目的や活動とも連動させようとする意図  なのかが明白でないので、「変更しない」という考えになった次第。 ◇情報という言葉の持つ範囲って、あいまいかつ、人によってとらえかたが異なる  のではないかと思います。 ◇図書館は図書館であって、わざわざ情報をつける必要はないと思う。情報化のも  っとも進んでいる競馬に情報をつけるであろうか。‘情報’をつけることで品格  を下げる。 ◆どのような文脈でこのようなお話になっているのかを存じ上げていないのですが、  図書館学会として今やるべき問題というのは個人的にはいっぱいあるので、この  名称で活動内容と一致していると考えております。 ◆図書館をコアにした研究者の集まりを示すという意味で現在の名称が適当だと思  います。 ◆日本図書館学会は、図書館学および図書館情報学の進歩発展に寄与する目的の学  会であることが(既に)広く認識されていると思います。したがって学会規約の  改正のみで良いのではないかと考えます。 【変更する】 〔日本図書館情報学会〕 ◇思いきって“図書館”をとってしまった方がよいようにも思いますが、“図書館  (・)情報学科”という既存の学科もあり、また、「情報科学」との違いを明確  にするため、残す方が(現時点では)よいと思います。 ◇英文名称はどうなるのだろうか? ◇図書館学研究分野の拡大に対応するため。 ◇「変更しなければならない」という程の強い意見ではありません。時代の流れと  してはそうなるのではないかという程度のものです。 ◇ひょっとすると、この変更名も遅きに失しつつあるかもしれません... ◇「事業報告」等に「図書館情報学」という用語が多く用いられていますので、  (一人歩きしていますね?)これも整合性をもたせる必要があると思います。時  代とともに名称は変わってもよいのではないでしょうか。 ◇歴史のある名称を変更するのはとても忍びがたいですが、情報の2文字が現代の  図書館学の流れを表しているように思います。 ◇「用語辞典」も「論集」も図書館情報学というコトバを使用している。学会名も  a.案で良いと思う。 ◇時代の趨勢で妥当。 ◇時代に即した学会名とした方が良いと考えます。英語名はどうなりますか...  library information又はlibrary and information? ◇図書館学会は図書資料に傾斜した受け止め方をされる。できることなら、「日本  図書館情報学会」に変更してほしい。 ◇情報を入れた方が時代の流れからも適当だし、学問の巾が広くなる。 ◇文部省の方針変更に対し、公共図書館の実地調査を実施して、問題点を整理して  下さい。 ◇現在の研究対象の多様化に即した学会名がふさわしいと思います。 ◇但し、日本コンピュータ科学会にならないように、Computer scienceだけの学会  ではなく、Information studiesの学会でLibrarianshipとのバランスをいつも意  識してほしい。実践の現場のResearchがないのはおかしい。 ◆とくにありませんが、名称の変更には賛成です。 ◆個人的には、日本図書館学会でも日本図書館情報学会でもどちらでもよいと思い  ます。結局の所、学会の性格を決めていくのは、構成員の研究内容であると考え  るからです。私は、最近、学生会員にさせていただきましたので、92年にどのよ  うな議論がなされたのか、現在の(学会)名が体を表さなくなってしまうほど、  研究内容が変化しているのかなどは、よくわからないのですが、長い間学会で活  躍なされている多くの方々が、名称を変えた方がよいと考えているのであれば、  その方向に変更がなされてよいのではないかと思います。 ◆情報寄りの人が、多少入りやすくなりそうですし、何より「情報」と入った方が  かっこいいです。(^^) 〔その他〕 ◇《図書館情報学会》日本語では「日本」をとり、英文ではJAPANをつけるとよい  のではないですか。 【棄権/保留】 ◇「1」あるいは「2」を特に支持する理由が、みつけにくいためです。 ◇決めがたい気持ちです。なんでも図書館情報学になってしまいそうで... ◇1.2.a.bを含めて執行部に一任します。 ◆お知らせ ●論集17集刊行 日本図書館学会研究委員会編『児童・ヤングアダルトサービスの到達点と今後の課 題』(論集・図書館情報学研究の歩み 第17集)が8月に刊行されました。 【目次】 児童図書館の基準と指針−アメリカ、イギリス、カナダにおける児童奉仕の基   本理念とその背景 …………………………………………… 赤星隆子 都道府県立図書館の児童サービス ……………………………… 中多泰子 児童書のナショナル・センター機能 …………………………… 田中久徳 児童図書館における科学プログラム …………………………… 塚原 博 公共図書館児童サービスの特性と児童図書館員の養成 ……… 堀川照代 ヤングアダルト・サービス理論の変遷−アメリカ公共図書館におけるヤングア   ダルト・サービス …………………………………………… 井上靖代 ヤングアダルトサービスの概況とプログラム(行事)の現状−アメリカと日本   との内容比較 ………………………………………………… 半田雄二     発行日:1997年8月28日     価 格:2,800円+税     発行所:日外アソシエーツ     発売元:紀伊國屋書店 ●論集合冊版刊行 『論集・図書館学研究の歩み』第1集から第10集を2冊にまとめた、合冊版が8 月に刊行されました。     発行日:1997年8月28日     価 格:       第1集〜第 5集 12,000円+税       第6集〜第10集 16,000円+税     発行所:日外アソシエーツ     発売元:紀伊國屋書店 ●『図書館情報学用語辞典』刊行 1995年秋より編集が進められてきた『図書館情報学用語辞典』が間もなく刊行され ます。     発行日:1997年9月25日     体 裁:A5判 244p.     価 格:3,800円+税     発行所:丸善 ●研究会等の開催案内 会報に、他の学会、研究会等で主催する研究大会、セミナー等の案内を掲載いたし ます。原稿(1,000字以内)と連絡先を電子メールで事務局の戸田(toda@hakusrv. toyo.ac.jp)へ電子メールでお送り下さるか、郵便で学会事務局会報係宛ご送付下 さい。会報の発行は4、6、9、12月の予定です。