図書館情報学検定試験とは

  • 主催:日本図書館情報学会図書館情報学教育特別委員会,業務委託:情報科学技術協会(INFOSTA)
  • 目的:大学の司書課程などで学んだ図書館情報学の知識を問い,将来図書館司書・情報専門職に就くために求められる資質の向上を目指すとともに,既に図書館や情報部門に勤務する人の能力確認に役立つことを目的とします。
  • 受験対象:
    • 大学(通信制大学も含む)・短期大学で司書課程を受講する学生
    • 大学の図書館情報学専門課程に在籍する学生
    • 図書館情報学を専攻する大学院生
    • 図書館または類縁機関で勤務する職員
    • 司書課程・講習で司書資格を取得した者
    • 図書館情報学に関心のある者
  • 実績:2007年から毎年実施。
  • 出題数:50問
  • 出題分野:図書館情報学基礎,情報利用者,情報資源組織化,情報メディア,情報サービス,情報システム,経営管理,デジタル情報の8分野(問題集が日本図書館協会より出版されています。また、参考図書となるシリーズ図書館情報学が東京大学出版会より発売されています。)
  • 申し込み:個人単位での申し込み(個人申込),大学での受験者とりまとめによる申し込み(団体申込)

団体受験をぜひご活用ください

  • 団体受験とは,大学の教員が大学内で受験者を取りまとめて一括して申し込む方式(受験は東京,つくば,名古屋,大阪,京都の各会場で行う)。
  • 教員にとって,教員が自校の司書課程を履修する学生の理解度を把握でき,図書館情報学の
    各分野をバランス良く学生が学べるカリキュラムを構築できます。
    FD(Faculty Development)の自己点検・自己評価に役立てられます。
  • 学生にとって,団体受験は個人申込よりも受験料が安くなります。
  • 自己の学習レベルがわかり,図書館情報学8分野のうち知識が不足している部分を把握することができます。
  • 図書館・類縁機関への就職試験の専門試験(図書館情報学分野)の準備となります(判定結果を図書館情報学の専門的知識をアピールする際、活用することができます)。

試験の実施背景,変遷

図書館情報学検定試験は、科学研究費補助金「情報専門職の養成に向けた図書館情報学教育体制の再構築に関する総合的研究」(通称LIPER,2003~2005年度)の提言に基づくものです。
この提言では,
1)情報専門職の教育は大学院レベルの図書館情報学の専門教育であるべきこと,
2)図書館情報学カリキュラムのコア領域を明らかにし,司書課程においては当面このコア領域を学ぶものとすること,
3)資格に求められる専門的知識の一定の水準を維持するために検定試験の実施を検討すること,
が求められていました。

この検討の一環として,日本図書館情報学会は,2007年度から準備試験を実施しており,2010年度からは公開制とし,申し込めば誰でも受験できるようになりました。

この試験を受験する学生のみなさんにとっては、情報専門職となるために必要な基礎的な領域(LIPER提言では「コア領域」と呼んでいます)について,自分がどれくらいの知識をもっているかを確認することができ,これから何を勉強すべきかがわかるでしょう。

また,すでに図書館や情報サービス機関で働いているみなさんは,この試験を受験することによって,ご自身の今の実力を測ることができます。受験生のみなさんには,順位や領域別の得点,平均点との差異がわかるようなレーダーチャートが記された採点結果が返却され,また試験問題解説もウェブ上でアクセス可能になります。

2012年度からは,成績に応じてS,A,B,Cの4段階評価がつき,成績表に記載されます(S評価が最も優秀な段階です)。また,S評価を獲得した受験生には,別途賞状と記念品を贈呈することとなりました。そして,成績優秀者の氏名をWeb上等で公開致します(※本人からの申し出により公表を控える場合があります)。