どんな問題が出るのか

試験問題は「LIPER提言」によるコア領域を構成する以下の8領域から出題されます。(クリックすると詳細な内容が閲覧できます)

  1. 図書館情報学基礎
  • 情報流通の基礎や図書館や情報に関わる諸制度・政策などについての理解
  • 情報の理解、社会における情報、知識論などについての理解
  • 情報専門職にとって必要な調査研究法の理解
  1. 情報利用者
  • 人間の情報探索行動についての理解、探索行動モデルなど
  • 利用者教育のためのカリキュラム、情報リテラシー教育の方法など
  1. 資料情報組織化
  • 目録法、典拠コントロールなど書誌記述についての理解
  • 主題分析と表現(分類、件名、ディスクリプタ)についての理解
  1. 情報メディア
  • 印刷メディアおよび各種のメディアの特性についての基本的理解
  • コレクションの歴史と意義、コレクション形成方針、出版流通論、資料選択論など
  • 各種のメディアの知識と収集・保存・提供技術
  1. 情報サービス論
  • 情報サービスの基本的な考え方や社会における情報サービスの必要性の理解
  • レファレンスツールの知識、質問回答演習、パスファインダー作成等
  1. 情報システム
  • 図書館情報システムの概要、ネットワーク、データベースの基礎など
  • 情報検索の基本技法についての理解
  1. 経営管理
  • 図書館、情報機関の経営管理についての一般的な理解
  • 知的情報資源管理の基礎(著作権、権利管理、ライセンシング、コンソーシアム等)。知的財産管理も含む。
  • 図書館情報サービスの計画とマーケティングについての実際的理解
  1. デジタル情報
  • デジタルライブラリの歴史と現状、権利管理(DRM)、デジタルデータの著作権、デジタルデータに関する基準などの理解
  • ネットワーク、データベース、自然言語処理など、デジタルコンテンツを扱う上で必要な基礎的な情報技術
  • デジタルコンテンツの収集、組織化(メタデータの作成)、保存(デジタルプリザベーション)、提供についての理解

例として、2007年度の準備試験問題が掲載されている『図書館情報学検定試験問題集』から1問抜き出してみましょう。

問:資料の探索に用いるツールに関する記述として正しいのはどれか。
1. バイオ燃料を扱った学術論文の著者と論文タイトルを調べるために『JISハンドブック』と『出版ニュース』を用いた。
2. 江戸時代に出版された資料の所在を確認したいと思い『国書総目録』と『古典籍総合目録』を確認した。
3. 教育学関係の研究者が執筆した論文の内容を知るために『日本雑誌総覧』で書誌事項を調べた上で、『ブックページ』で本文を閲覧した。
4. 日本語教育に関する図書を入手したいと思い所属大学のOPACを調べたが、未所蔵であったため『出版年鑑』で別の大学の所蔵を調べた。
5. 裁判所に関する図書リストを作成するために、オンラインデータベース「日本の統計」と「法令データ提供システム」を用いた。
(『問題集』第28問より)
※当初第26問と誤記をしておりました。お詫び申し上げます。

図書館情報学検定試験問題集の書影です。

皆さんできましたか?試験を受けたいと考えている人たちに向けて『図書館情報学検定試験問題集』(根本彰、上田修一、小田光宏、永田治樹共著、日本図書館協会 2010年4月刊、定価1,260円(税込))が刊行されました。この問題集では、問題を掲載したあとに「問題のとらえ方」で出題意図について述べ、次に「正解に至るためのヒント」で問題や個々の選択肢についての詳細な解説を行っています。