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学会は、1603年にローマに設立されたアカデミア・デイ・リンチェイに始まるとされ、奇しくも今年で丁度400年にわたる長い歴史を持っております。
学会の意義、特色としてそれぞれの分野の研究の進歩発展のために発表とコミュニケーションの場を研究者に提供する自発的、自律的な組織であるという点が認められてきました。
ただし、日本の文科系の学会の在り方については、必ずしも合意があるわけではありません。
自然科学分野、あるいは米国の学会の役割モデルをそのまま日本の人文・社会科学分野の学会にあてはめようとする傾向が、昨今、特に強まっております。
学問分野間の一定の秩序を保つ役割を果たしてきた日本学術会議も改革を余儀なくされております。
こうした中で、本学会の将来が問われていることは確かであります。
日本図書館情報学会は、数ある図書館関連、情報関連の団体の一つであって、歴史があり、会員の多くを大学教員が占め、厳密な査読制のある学会誌を有しているという点にその特徴を求めるしかないのかもしれません。
前述のように本学会の設立時点では、図書館学の「総合学会」を目指しておりましたが、反発もあり、現実にそぐわぬ点もあったため、すぐにその看板を降ろしてしまいました。
しかしながら、現在の日本図書館情報学会が、この分野において、総合的なあるいは分野を代表する機能を果たしている面もございます。
具体的には、科学研究費の細目「情報図書館学」への審査員の推薦や、会員のみを執筆者とした用語辞典の刊行、それに文献目録データベースの作成などをあげることができます。
さらに、それ以上に、学会誌に掲載される論文や研究大会と春季研究集会における口頭発表のテーマの多様性と、そこに現れる会員の関心の広がりは、総合性を示していると言えます。

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