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エビデンスベーストアプローチによる図書館情報学研究の確立
第4回ワークショップ
エビデンスに基づく研究におけるインターネット・モニター調査の現在点」

議事録

開会の辞 | 発表T(辻:前半) | 発表T(辻:後半) | 発表U(長崎:前半) | 発表U(長崎:後半) | 質疑応答

::: 質疑応答 :::

池内司会
 どうもありがとうございました(拍手)。
 大変興味深いお話を聞かせていただいたと実感しております。
 それでは、ただいまからご発表者の辻先生と指定討論者の長崎さんを含めまして、会場からご質問やご意見を受けたいと存じます。
 また、その際は、ご所属とお名前をおっしゃってください。
 どなたかいらっしゃいますでしょうか。

三輪メディア教育開発センター
 メディア教育開発センターの三輪と申します。前々から興味があったので、質問です。一つは、ここで抽出した回答者の470人の方は、基本的に全員が回答してくださるということですね。


 470人ですか。

三輪
 司書資格ありが193、司書資格なしが277の合計470人の無作為抽出した人です。


 この中の一部が回答してくれました。

三輪
 この数が送付先になって、そのうちの何%かが回答してくれて、それが回答率になるわけですか。


 そうです。

三輪
 もう一つ違う質問です。質問の設計の話になるかもしれないですけれど、オープンな質問とクローズドというか4択とか5択、あるいはリッカート式の質問などいろいろなタイプの質問があります。いろいろなタイプの質問によって、価格の質問1個幾らとか、回答率の高さとかは変わらないんでしょうか。

長崎
 回答タイプにかかわらず、基本的には1問幾らという計算になっています。ただカテゴリー数が100とかあると、またちょっと計算が変わったりしますけれど。

三輪
 そうすると、オープン質問だけで例えば30問やっても構わないわけですか。

長崎
 そうです。ただ、途中で嫌になってしまって脱落率が高まるという傾向はあります。ただ、それもオープンでの内容によります。書きやすいことや興味深いことであれば書けますし、観念的なものというと答えてくれません。私どもも、1問目に自由回答を置いて半分の人が答えなかった質問というのがあります。「あなたの人生に影響を与えたブランドについて語ってください」と置いたら(笑)、半分の人が答えなくなってしまった。メーカーさんがそれを知りたいのはわかるんですが、やはり難しいところはあります。

上田慶應義塾大学
 慶應大学の上田です。これを企画するときに困ったんですよ。お二方とも、インターネット調査とおっしゃっているわけですよね。これはインターネット調査と呼べばいいわけだと思うんですけれども、「インターネット・モニター調査」というような名前をあえてここにつけています。今、インターネット調査というのはどこまでを言うのか。Yahoo!リサーチを使った調査をインターネット調査と言っているのか。つまり、モニターに対して調査をするという話ですよね。先ほど辻さんがご紹介になった朝日新聞社のやつはパネルですよね。でも、同じ集団に対してインターネットを使って毎回世論調査というか内閣支持率か何かを聞いていくわけですよね。あれはインターネット調査なんですか。


 あちらは非公募型と言う人もいて、Yahoo!リサーチは公募型と言っています。公募型は手を挙げて自分で寄ってきた人たちを対象として、非公募型は会社が答える人を特定して連絡をとるものというような区別をする人もいます。ですから、両方ともインターネット調査と呼んでいると思いますが。

上田
 そうすると、答えてもらえる集団があって、そこに対してインターネットを通じて調査をするのをインターネット調査と呼んでいるわけですか。


 ホームページにCGIのページをつくっておいて、それで不特定多数の人に一定期間の間答えてもらうというのもインターネット調査です。やはり、タイプをちゃんと見せたほうがよかったですね。タイプ分けについてもいろいろあるんです。

上田
 そうではなくて、世間一般という話でいいです。長崎さんは、インターネット調査というのはどこまでを言っていらっしゃいますか。

長崎
 インターネット調査はすごく幅広い定義で、電子メール対電子メールの調査も含めて、インターネット調査という言い方をします。日本では、Googleの検索件数を調べると、インターネット・リサーチが一番多くて、次がインターネット調査、次がウェブ・リサーチ、インターネット・サーベイというような感じで来ています。
 歴史からいくと、もともとインターネット・サーベイという言い方をアメリカではしています。データを収集する手法としてインターネット経由で来るものを、インターネット・サーベイと言っています。インターネット・リサーチという言い方は、インターネット業界やインターネット市場に対する調査を指している言葉だから、間違いであるという言い方を90年代まではしていました。けれども、いつの間にかアメリカでも、普通のインターネット・サーベイをインターネット・リサーチと言うように変化してきて、インターネット・リサーチという言い方はおかしいというような言い方をすると、なぜか今の時代に合っていないという状況になっています。
 日本でインターネット調査という言い方をしたのは、インターネット・リサーチと言ったときに、先ほどの事情があるのでばかにされるといけないので、ここは調査と言っておこうと。インターネット・サーベイは、サーベイという言い方があまり日本では定着していないので、そこの折衷案としてサーベイの訳語としてインターネット調査を持ってきたという事情はあります。

上田
 わかりました。もう一点です。今モニターはどういう形で集めて、どれほどの謝礼というか対価が支払われているのかということと、それで暮らしていこうという人たちはいるのかということに関してはどうなんでしょう。

長崎
 本調査でいっても、謝礼は100円から、すごく多いものでもせいぜい500円、600円どまりです。事前調査、スクリーニング調査になると抽選で払っているので、対価としては、それこそ時給換算したらものすごい低い額になっています。ですので、これで生活するということは不可能です。

上田
 そうすると、回答者はどういう理由で回答するんですか。

長崎
 回答者の方に集まってもらって、グループインタビュー形式で調べたことがあるんですけれど、なれだと、習慣であるというような答え方が多いです。常習性と言っていいのかどうかわからないですけれど、それこそパチンコをやっている人に対するグループインタビューと似たような答えなんです(笑)。行かなきゃならないと。


 自分の意見を社会に伝える機会だととらえている人が、最初のころは多かったようです。

長崎
 そうですね。グループインタビューをやると、最初は必ずその答えが出てきます。でも、それは恐らく表層的な答えなんだという感じがします。

須賀慶應義塾大学
 慶應義塾大学の非常勤をやっております須賀と申します。長崎さんがお答えいただいたほうがいいと思うんですけれども、二つ質問があります。一つは、辻さんのお話ですと130万人の登録があるということで、その中で辻さんの調査の場合はスクリーニングに参加したのが10万人ちょっとでしたね。だれがスクリーニングに参加するかというのは、どうやって決めるんですか。例えば先着順とか、先ほど辻さんから話がありましたが、どうやって割り振るのかということです。
 もう一つは、もしかしたら企業秘密かもしれないですけれども、モニターの品質管理は例えばどういうことをなさっているのかをお聞きしたいんですが、よろしくお願いします。

長崎
 最初のご質問は、この10万人は多分、年齢とか何かの条件がかかっているんですよね。


 そうですね。

長崎
 特定の条件の中で、あとは無作為で引っ張ってきていますね。あとは、ネットユーザーの構成に割りつけるとか、母集団に属性のところだけ割りつけるとか、いろいろなことがあり得はします。けれども、単純にターゲットを探しにいくようなときには、当てはまりそうな人をできるだけ多くかけていくという形になっています。
 もう一個の品質管理の話ですけれども、大きく分けると二つやっています。一つ目は、データを回収したときにおかしなものをはじきます。もう一つは、データ回収時点でははじかないけれども、中期的に見ておかしな答えをする人をはじいていくというのもやっています。1個目のほうは、時間もないので基本的には登録属性と違う答えをしてきている人、要するにメールで依頼していますけれども、もしかしたら違う家族が答えてきたかもしれません。性別が違ったり、年齢が違ったり、そういったところが違うものに関しては落としています。
 それ以外に回答内容を見て、おかしな答えをいつもしているとか、持っているものがいつも違うというような怪しい答えの人を落とすのもやっています。あとは、意識項目を使って適当に答えている人は、大量解析をかけるとマイナーな主成分が出てくるので大体判定できます。それは変わり者か、もしくはいいかげんに答えているかどちらかです。そういうあたりを総合して見ています。
 でも、大体、主成分をかけるとおかしな成分が出てくるので当たりはつきます。それと、いつも変な答えをしているというのと重ね合わせてモニターから落としているような、そういう品質管理をしています。

三根慶應義塾大学)  慶應義塾大学の三根と申します。辻先生にお聞きしたいんですが、二つの調査の回答率はどれぐらいあったのかということです。あと、二つの調査の回答者の年齢、男女比、住んでいる地域、職業とか基本的な属性をもしもおわかりでしたら、教えていただきたいんです。モニターというのは偏っているという印象があるので、その辺を。


 回収率というのは有効回答率ですよね。

三根
 そうです。


 司書課程のほうは、たしか2200人に聞いて1800人が答えてくれた気がします。だから、80%ぐらいです。
 性別は、司書資格を持っている人たちはやはり女性が多くなります。そのとき、これは研究の話になっていきますが、司書資格を持たない人と司書資格を持つ人を比較すると、男女の比率の差に帰するだけのことではないか。あるいは、文系の人が多いから、そういう傾向が出たのではないか。こんなふうに言われることは火を見るより明らかなので、司書資格を持っていないという人たちは、文系の大学は出て、しかも女の人が多くて、短大卒の人が多くなるように、サンプルを無作為に比較可能な形で抽出しています。何割になったかは、たしか女性が7割から8割ぐらいで、男は2割から3割ぐらいになるように調整しました。職業については会社員が20%ぐらいで、司書資格の有無でほとんど差はなかったので印象に残っていないので覚えていないんですが。

池内
 私が伺っても宜しいでしょうか。これまでも質問をしたかったんですが、司会者という立場上控えていたんですが・・・。図書館情報学研究におけるエビデンスベーストアプローチという趣旨ですと、どちらかというと研究志向なんですけれど、私は今ものすごくインテージ・インタラクティブさんに興味があります(笑)。いろいろお伺いしたいんですけれど、まず、棒グラフで表していただいたパーセンテージがありますよね。これは、調査市場全体で見ると、インターネットでの調査も含めた市場規模は安定しているのか、あるいは増加傾向にあるんでしょうか。

長崎
 全体でいくと年率3%ぐらいの伸びです。ずっと安定して伸びている業界ではあります。ネットの調査でワッと伸びていると。

池内
 インターネットはその中でもしっかり伸びていると。親会社がインテージさんということですけれども、インテージさんのほうでもまだ調査はやっていらっしゃるんですよね。

長崎
 もちろん。

池内
 その主従関係が、例えばセブン-イレブンとイトーヨーカドーみたいに逆転するというようなことはまだないんですか(笑)。

長崎
 ネットというのは、インターネットで情報をとっているというだけの話です。調査の本質的なところでいけば、インターネットでとろうと、よそでとろうと、それは調査の目的に合わせてやればいいだけの話なので、手法が主従関係を覆すという感覚は持っていないです。

池内
 企業として別企業なんでしたね。

長崎
 そうです。

池内
 インタラクティブさんのほうが、売り上げが大きくなるというようなことは……。(笑)

長崎
 難しい質問ですね。

池内
 ごめんなさい、デリケートな質問でした。申しわけありません。
 あと、これはハリソンやギャロップなど歴史の長い調査会社でもそうだと思いますが、昭和35年からずっと調査をやっているんですよね。そうすると、今まで培ってきた資産というのはものすごい量があると思うんです。それの取り扱いというか、それを企業の中でどういうふうに活用しているかというのを教えていただけないでしょうか。基本的に、顧客の情報だから外には出しちゃいけないんですよね。

長崎
 そうです。

池内
 その中で、どういう活用をしていらっしゃいますか。

長崎
 単発型の調査に関しては、データベースを参照できるようにはなっています。

池内
 その中だけでは見られると。

長崎
 ある程度は。あとは、どちらかというと、過去から取り扱っているのは、こういったもののPOSデータの収集をやっているので、あちらのほうがむしろ歴史があります。あとは購買データです。1万1000世帯に対して端末を配って、ホームスキャンというふうに言っていますが、これで買ってきたものをスキャンしてもらって、購買データをとるというのをずっとやっています。データの蓄積という意味では、そちらのほうが知見としてはききますね。
池内
 これもちょっとデリケートなのかもしれませんが、インターネット調査の中でインテージ・インタラクティブさんはヤフーの調査を実質的にやっていらっしゃるわけですよね。ということは、シェア的にはインターネット調査の中でかなりな順位にいらっしゃるんですか。

長崎
 2番手グループです。

池内
 1番というのは。

長崎
 売り上げの1番はマクロミルさんです。

池内
 1番と2番というのは、結構違うということですか(笑)。

長崎
 そうですね。マクロミルさんは公開企業なので、今は50億ぐらいの売り上げがあります。

池内
 なぜその差は出るんでしょうか。伝統的な調査会社としてのネームバリューなのか、それともやっていることが大きく違うのか、抱えている母集団が違うのか。

長崎
 取り組みが本格化した時期の違いもありますね。マクロミルさんは2000年からやっていましたけれど、我々のほうは2002年にようやく会社ができて、本格的にやり始めたのは2003年なんですよ。やはり従来型調査会社がバックボーンとしてあるので、立ち上がりのときに「ネット調査なんかおかしいんじゃないの。こんなおかしな調査を売っているやつは何なんだ」というような声は社内に当然ありました。

池内
 マーケティング調査と世論調査を比較すると、マーケティング調査のほうが恐らくウエートが大きいんじゃないかと推察するんですが、マーケティング・リサーチのリピート率はどのぐらいでしょうか。相当リピートされますか。

長崎
 ほとんどリピートです。

池内
 分りました。どうもありがとうございます。ほかにどなたかいらっしゃいますか。まだ少々時間がございます。

三輪
 メディア教育開発センターの三輪です。調査の母集団ですけれど、日本の国内だけですか。それとも、海外まで網を広げて国際的に調査をかけることは可能なんでしょうか。

長崎
 私どもでサービスしているのは基本的に国内だけです。親会社では上海にも事業所がありますので、中国はやっています。国際的には、パートナーシップを組んでいる調査会社さんとのネットワークで対応するような形になります。ただ、ネット調査は外国のほうが高いです。日本が一番安いです。

三輪
 どれぐらいの違いですか。

長崎
 日本でやったときの1.5倍ぐらいの値段がすることは多いです。それに翻訳などの手間が入ってくるので、さらに高くなります。

上田
 慶應大学の上田です。先ほど長崎さんが、母集団というか、インターネットユーザーが生活者一般と同じであるという意識は2000年ぐらいからとおっしゃいましたか。

長崎
 意識というよりも、インターネットユーザーの結果を一般の生活者の調査結果とみなすという企業さんがふえてきたという感じです。決して同じではないんですけれど。

上田
 今はもうほとんどそうであるというふうに考えていいわけですか。要するに、普通の人はインターネットを使っているんだ、インターネットを使っている人は普通の人なんだと。

長崎
 女性だと40代までで、男性で50代半ばぐらいまでです。

上田
 それだったらオーケーと。高齢者は無理。

長崎
 それより上は無理というか、差異はあります。

上田
 その点に関して、辻さんはどう思っていますか。


 その点に関してというのは。

上田
 つまり、インターネット調査の回答を実際に見ていらっしゃるわけですよね。それは、インターネットを使っている、使っていないということとは関係なしに、一般の人の回答とみなしてもいいんじゃないかと思うのか、それともやはり差はあるというふうに思いますか。


 差はあると思います。僕は司書課程の研究と派遣職員の研究で、ちょうど1年2カ月ぐらい間隔があって2回目をやったんです。そしたら、1年2カ月しかたっていないんですが、スクリーニングの段階の年齢が上のほうにシフトしていたんです。だから、1年で随分年を召した方も答えるようになってきたというような気がしています。もしかしたらこのペースでいくといつかは一致するのかもしれないですが、今のところはまだちょっとという感じですか。

上田
 まだ途上だという感じなんですね。

長崎
 完全に一致しているというところと、みなすリスクが大きいというところは微妙に違うところです。確かに一致はしていないですけれど、マーケティングにおいてみなすリスクのほうが大きくなるのが、女性でいくと40歳以上というような、そこが違いますね。

上田
 多分、マーケティングだから切り捨ててもいい部分があるんだと思うんですけれども、学術調査や世論調査という場合には、やはりそれは無理があるということでいいんですか。インターネット調査の基本的に持っている今のところの問題点という、母集団があらかじめ偏ったと言い切れるかどうかはわからない状態になっていることはわかるんですけれども、今の時点だとちょっとまだ違うと。


 僕はしているんですが、単純に僕から一般の人はこうですとは言えません。僕の研究はただ……

上田
 いや、辻さんの研究がどうのこうのと言っているわけではなくて。長崎さんは、マーケティングというのではなくて研究の面で使おうとした場合にどう思いますか。

長崎
 研究という意味でいくと、やはり出の補正が必要というふうに考えます。世論調査という面でいくと、そこで操作手技が入るということは切り捨てたほうがいいんじゃないか。世論調査であれば、それは限定的な条件での結果であるという言い方をしたほうがいいとは思っています。

上田
 もう一つ別なことです。辻さんの2回目の調査結果を共同でなさっている根本さんから見せてもらう機会があって、集計がすごく簡単だと、後処理のところがすごく助かるんだという話をおっしゃっていました。確かに、いま自分で質問紙調査をやると、入力から集計まで全部自分でやらなければいけない。研究者はそうやっているわけですけれども、そこのところがかなり楽になるというのは大きなメリットとして考えられるんですか。


 はい。少なくともアンケート票を入力する手間は省けますし、Yahoo!リサーチの場合、クロス集計を3重まで自動でいろいろやってくれます。

上田
 集計の仕方はデータをもらえるんですか、それとも集計はシステムの中でやらなきゃいけないということですか。


 集計は半年間そのシステムが使えるという形で、ローデータは手元にもらえます。

池内
 まだ少々時間がございますけれども、どなたかご質問、ご意見は。

安形
 アジア大学の安形です。単純な質問ですけれども、スクリーニングと本調査の料金表があったんですけれども、回答率が非常に低かった場合も料金は同じなんでしょうか(笑)。

長崎
 回収ベースの料金になっています。そこで言っているのは、送る設計数ではなくて回収ベースの料金になります。

安形
 そしたら、先ほどの辻さんのですと1800人分の料金を払うと。

長崎
 はい。

安形亜細亜大学
 わかりました。どうもありがとうございます。


 回収率が予想を超えて多くなっても、最初の値段でやっていただけます。

長崎
 そうです。回収数精算ではないです。想定回収数で料金は決まるということです。

池内
 調査票設計に関するコンサルティングみたいなことは、やっていらっしゃるんでしょうか。

長崎
 企画から入る場合にはそこから入りますし、それ以外の場合でも、データがちゃんと収集されないという可能性については言及させていただいています。ただ、調査目的に合致しているかというところは、企画料金をいただかないとコンサルはしていません。

安形
 辻さんのスライドの「インターネット調査の利点A」で、電子的追跡が可能という話をされていたんですけれども、先ほどローデータをもらうという話がありましたが、そういうようなデータも含まれているデータなんでしょうか。


 Yahoo!リサーチからいただいているのは、そういうのは入っていないです。

安形
 電子的トラッキングをやる場合に、例えばこの質問に答えた後にこの質問に答えたとか、どのぐらいの時間がかかったとか、そういうようなデータはお金を出せばいただけるようなものですか。

長崎
 回答時間そのものに何分かかったというようなデータは、つけることができます。


 平均時間はローデータに入っていて教えていただけたんですが、一個一個はわからなかったです。

長崎
 回答時間のトラッキングという意味でいくと、今いろいろな動きがあります。回答時間のトラッキングは全体の長さだけではなくて、1個の回答に対する時間を設定してやっていこうという動きも出てきています。例えば、先ほどの「幸せですか」という質問に対して、「幸せですか」「はい」と答えるのと、「幸せですか」「うーん、はい」と答えるのでは(笑)、データの質として違うんじゃないかというところで、そういった研究もされているケースが出てきています。

池内
 そろそろお時間となりました。本日は大変貴重なお話を拝聴させていただいたと思います。
 最後に、発表者である辻さんと長崎さんに拍手をお願いします。長時間、どうもありがとうございました。
 さて、今年度、2006年度のエビデンスベーストアプローチのワークショップはこの第4回目で最後となります。
 私は司会を4回務めさせていただいて、率直に、4回とも大変興味深かったですし、勉強になったなという気がいたします。
 来年度も引き続き7回から8回の企画を予定しております。
 特にEBAメンバーの方でまだご発表なさっていらっしゃらない方に、もしかしたらそっと声をかけるかもしれません(笑)。
 ご協力いただければと思います。
 それでは、本日はこれで終わりにさせていただきたいと思います。
 どうもありがとうございました。

― 了 ―

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