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公開シンポジウム記録
変わりゆく図書館情報学専門職の資格認定
--専門団体はどう取り組んでいるか--

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U-1.パネリストによる発表(山本達夫氏)

根本
 これから3時間、議論することになりますが、最初に5名のパネリストに20分ずつ、それぞれの分野の状況、教育・研修体制についてのお話をいただくということを前半に行います。
 その後、10分ほど休憩を入れまして、後半は1時間ちょっとあろうかと思いますがディスカッションを進めたいと思っています。全体の進行については、そのように考えています。
 それでは、お手元の資料のパネリストの順番でご発言いただきたいと思います。
 まず、株式会社リプロの山本達夫さんにお願いしたいと思います。
 山本さんは専門図書館協議会運営委員会副委員長でいらっしゃいます。よろしくお願いいたします。

山本
 専門図書館協議会の運営委員会に所属しています山本といいます。
 よろしくお願いします。
 本日の公開シンポジウムの趣旨に沿って、専門図書館協議会が資格認定にどのように取り組んできたか、また、これからどのように取り組んでいくかということをご紹介いたします。
 ただ、最初に言い訳じみたことを申し上げますと、昨年、当時の図書館情報大学の生涯教育セミナーで、同じようなタイトルのシンポジウムがありました。
 そこで専図協の立場をご報告いたしましたが、その当時からあまり進捗していません。
 というのは、専門図書館協議会は昨年、事務局を国立国会図書館から日本図書館協会会館に移転して独立しました。
 その準備、あるいは独立に当たって新しい事業を立ち上げるために、この資格試験もそうですが、いろいろな事業の検討をしてまいりました。
 ただ、実現性の比較的高い若手育成基金や共同レファレンスサービスなどの議論を先行させてまいりましたので、この資格認定試験については、あまり進んでいません。
 そういうことで、根本先生には、昨年と同じような話になってしまうということでお断りしたのですが、それでもいいということで、恥を忍んで出てきております。お許しいただきたいと思います。
 本題に入る前に、まず、専門図書館協議会の紹介をさせていただきます。
 専門図書館というのは、ご存知のように、公共図書館、大学図書館、学校図書館以外の図書館と定義されています。
 官庁や議会、企業、団体などの図書館が集まって、相互協力や、御情報管理技術の向上などの活動をしています。
 1952年に設立され、昨年で50周年を迎えています。最大の特徴は、多くの機関を網羅していて、その中のネットワークがきちんとできているということが強みであろうと思っています。
 会員の比率は、企業が一番多いのですが、大体網羅しているという感じがしています。
 会員の種類には三つあります。
 一つは正会員です。
 これは機関を対象にしています。
 現在、約600機関あります。
 それから、個人会員です。
 今、個人会員になるには、少し敷居が高いところもあるのですが、事業に貢献いただける個人ということで、現在、20名弱いますが、組織を離れた方が多いと言えます。
 賛助会員というのは、情報産業、図書館産業にかかわっていて、協力をしていただける機関ということです。
 どこの学会でも同じですが、かなり数が減ってきています。
 当初は700機関ぐらいあったのですが、最近では600を切るようになっています。
 会員増強をしなければいけないということで、今、個人会員の敷居を少し低くしまして、できるだけ個人会員を増やすというという方向に行くことにしています。
 興味がおありで、入会を考えようという方は、中央事務局が日本図書館協会会館の6階にありますので、ご連絡をいただければ幸いです。
 専門図書館協議会の事業を簡単にご紹介いたします。
 一つは、研修事業です。
 中央事務局が主催するものとしては、全国研究集会があります。
 これは毎年、総会に合わせて開催しています。
 今年は6月に仙台で行いましたが、このときのテーマは「戦略的情報サービス−インフォ・プロに学ぶ」というタイトルで、六つの分科会をつくって、熱心な議論をされています。
 この全国研究集会は、タイムリーな企画というより、トピックス的なものと、将来に必要であろうという技術を合わせて、幾つかの分科会をつくっています。
 秋期セミナーというのは、大体11月から12月に、2日間かけて行います。
 このときには、現在、問題になっているようなテーマを選び、それにふさわしい講師の方にお話しいただきます。
 あるいは、参加者でのディスカッションを行います。こういうセミナーをやっています。
 夜間講座を今年から始めています。
 専門図書館は最近、かなりワンパーソン・ライブラリーが増えてきていますので、いろいろな研修の企画をしても、昼間は出てこられないという方が増えてきています。
 ですから、6時半から8時半までと時間を区切ってセミナーをやろうということで、今年から始めています。一つは、ビジネス情報探索講座を2月にやりました。
 それから、科学技術情報探索講座というものを6月にやりました。
 これは両方とも40人以上の方に集まっていただき、専門図書館のメンバーもかなり勉強熱心だということのあらわれといえます。
 もう一つは、この協議会には議会図書館がかなり入っていますので、議会図書館の職員のための研修会を別立てで持っています。
 それから、専門図書館協議会は7地区の協議会の連合体です。
 したがいまして、地区の協議会で独自に研修会、見学会をかなりやっています。
 出版事業として、一つは、機関誌「専門図書館」を年に6回出しています。
 学会の機関誌と同じような内容ですが、特に情報交流の促進についての記事が増えてきています。
 それから、「専門情報機関総覧」を3年に一度出しています。
 つい先日、9月24日に2003年版が刊行されました。
 この中では、1700機関強の機関が収録されており、3万2000円で、丸善が出版元になっています。
 これは専門図書館協議会の主要事業ですので、ぜひお買い上げいただきたいと思っています。
 さらに、「著作権Q&A」というものを毎年出しています。著作権法の改正に伴ういろいろな注意事項などです。
 その他ニュースレター、研究視察レポートなどを、その都度発行しています。
 国際交流事業としては、海外の情報管理団体との相互交流をしています。
 3年おきに続けていますが、SLA(米国専門図書館協会)の年次大会に人を送って、会議に参加すると同時に、ジャパンセッションというものを設けて、日本からの問題提起、プレゼンテーションをやっています。
 また、その機会に海外の情報機関を視察しています。
 海外からの情報専門家の受け入れについては、SLAの会長などが日本に来ますと、専門図書館協議会主催で講演会をやったりしています。
 それから、若い世代の国際交流の支援ですが、これも今年から始めました。
 若手育成基金という名称で、年間2人まで、海外のSLAやASLIB、ALAなどに参加する場合の参加費を補助します。
 お1人30万円を補助するということで、今年は2人募集したのですが、お1人だけSLAに行っていただきました。
 その報告が、近々発行される「専門図書館」に掲載されています。
 それから、英文ホームページによる海外への情報発信については、当たり前のことですが、タイムリーにやっています。
 このようなことが私ども専門図書館協議会の主要事業で、研修事業については、研修委員のメンバーがかなり苦労しながらテーマを決めています。
 この協議会の事業は基本的にボランティアによる委員会ですすめておりますが、研修委員会の人数が一番多くて、一番力を入れているところだと思っています。
 以上が専門図書館協議会の紹介です。
 それでは、今日の本題である資格に関する問題に入ります。
 どういう問題意識のもとに資格試験に取り組んだかということを最初にご説明します。
 ご承知のように、環境変化が非常に大きく、特に企業、団体に入っている図書館においては、かなり環境変化の影響を強く受けます。
 その中で、新しい技術を使わなければいけない、新しいメディアを使いこなさなければいけない。
 我々が認識している今の資格制度はまず図書館司書、これから原田先生がお話しになりますが、データベースサーチャーの試験、あるいは、もう少し広げて情報処理士の試験などの資格がありますが、そういうものだけで本当に対応できるのか。
 やはり、いろいろな基礎的な知識から、情報技術を使いこなす、あるいはユーザーとのインターフェースをうまくとるようなことができるのかということが、まず問題意識にあります。
 やはりスタッフのレベルアップを図っていかなければいけないだろう。
 それから、社会的に認められた資格にするにはどうしたらよいか。このような問題意識を持って議論を始めています。
 この議論については、協議会の中に資格試験準備委員会というものをつくりまして議論を進めてまいりました。
 ただ、先ほど言い訳を申し上げましたが、ここ1、2年、議論が進んでいません。
 今年の下期、10月から委員会のメンバーを入れかえ、再構築しようと考えておりまして、先日の運営委員会でそれを決めたところです。
 話の順序として、まず我々の環境がどのように変化してきているかというお話しをいたします。
 「1.情報の重要性に対する意識の高まり」。
 過去、情報は大事だ、大事だと言われていましたが、最近の情報の重要性という意識は、情報を単独で使うという重要性より、製品やサービスなどが情報なしでは成り立たないという意味で、情報が重要になってきているのではないかと思っています。
 「2.情報技術・通信ネットワークの進歩」ということも、単にコンピュータ技術が進歩した、インターネットが進歩したということで、それを使いこなすというより、情報技術が進歩したことによって、人間のあり方が変わってくるのではないか。
 すなわち、情報技術が進歩して、多くの人が同じ情報を共有できるようになった。
 そのときに、同じ情報を共有して、どういう行動を起こすのか、どういう判断をするのかということが問われるようになった。
 すなわち、個人の主体性が問われるようになってきたのが、情報技術・通信ネットワークの進歩の本当の意味ではないかと思っています。
 「3.情報メディアの多様化」については、特に電子メディアが出てきていますので、これをどのように使うのか、あるいはどのように取り込んでいくのかということで、仕事の流れというものを変えなければいけないのではないかということがあります。
 「4.利用者の意識の変化」ですが、利用者はインターネットでかなり手軽に情報をとることができるようになりました。
 しかし一方で、情報欠乏症といいますか、アクセスが容易になって、いろいろな情報がとれるのですが、本当に自分の欲しい情報がとれているのかという心配を必ず持っているわけです。
 インターネットを使って情報がとれたといって満足している利用者は、本当は情報を知らないのではないか。
 本来、インターネットで情報が簡単にとれるようになったら、情報欠乏症といいますか、本当にこれで十分なのかという気持ちを持つことのほうが、情報に対する正しい向かい方ではないかと思っています。
 「5.情報産業の変革」とは、我々図書館界をめぐる産業がいろいろ発展、変化してきています。
 したがいまして、私どもが情報部門としてやってきた仕事を、情報産業がやるようになってきた。
 そうすると、利用者の意識が変わって、周辺産業も我々の仕事をやってくれる。
 次に、我々情報部門は何をすればいいのか。
 そういうことを考えなければいけないのではないかと思っています。
 「6.情報コストの高騰」については、言わずもがなですので、省略させていただきます。
 こういう環境変化の中で、図書館員の役割も変わってきているのではないかと思います。
 先ほど、マイクロソフトのライブラリーの前で撮った写真がありましたが、1997年のSLAの年次大会でビル・ゲイツがこのように言っていました。
 インターネット上で利用者が迷子になる。
 情報の質も、インターネットの中では劣るものが多いのではないか。
 こういうことを助けてやるのが図書館員だろうと。
 もう一つは、常々、私が考えていることですが、専門図書館は基本的に親機関の経営状況にかなり左右されます。
 したがいまして、公共図書館や大学図書館とは若干違った役割があるのではないかと思っています。
 一つは、親機関の企業であれば企業の活動を理解するということは、現在の活動と、将来、企業が向かっていく方向、それから過去にどういうことをしてきたかという蓄積、そういう活動を理解しなければやっていけないわけですから、これが一番大きな役割になります。
 それから、親機関の持つ専門分野も変わってきています。
 昔の話をすれば、製紙会社が製薬会社になったりしています。
 専門分野の知識は常に変わってきつつありますので、そういうものを把握しなければいけない。
 また、利用者のニーズについては、すべての図書館に言えると思いますが、利用者のニーズを的確に把握し、それにどうこたえていくかということが大きな役割です。
 それから、言うまでもないことですが、正確かつタイムリーな情報提供です。
 ネットワークを構成するということは、当然、機械的なネットワーク、人的なネットワークですが、自分がそのネットワークの核になるぐらいの役割を担っていかなければいけないと思っています。
 さらに、情報技術の活用、技術者との交流、あるいは技術者を自部門に取り込んで一緒に仕事をするということがこれから増えてきますので、この辺の役割も重要になってくると思います。
 先ほどのビル・ゲイツの話ではありませんが、情報コンサルタントとして、利用者のためにやるのはもちろんですが、組織の情報力、あるいは知識力の強化のために、どういうことをしなければいけないかということを正確に考えて、自分の役割を果たしていかなければいけないと思います。
 それから、これは持論ですが、図書館もサービス産業です。
 したがいまして、情報管理担当者、あるいは情報管理をマネジメントする人間は、企業経営と同じような考え方で部門を運営していかなければいけないだろう。
 その中では、最近、かなり下火になりましたが、ナレッジマネジメントなどの新しい管理手法を勉強して、自部門の運営を効率的にやって、親機関の活動に役立てていかなければいけないと思っています。
 こういう役割を担うのが専門図書館員ですが、専門図書館員に不足している能力があるのではないか。
 これもSLAが調査した結果ですが、経営者が専門図書館員に期待している能力の中で、専門図書館員自身はどういうものが不足しているかということを調べたものです。
 一つは、コミュニケーション力です。
 これは、プレゼンテーションをする力、あるいは説得する力などです。
 それから、リーダーシップは、組織を横断的に見て仕事を進める力、あるいはビジョンを立案する能力です。
 加えて、ビジネス戦略立案能力は、そのままです。
 財務管理というのは、企業の情報部門は、予算は与えられたものだという意識がありますので、コスト意識を自ら持つということは少ないのではないか。
 ですから、コストを分析して、資源をどう有効的に使うかというところが欠けているのではないかということです。
 情報技術の基礎ですが、これは情報技術を高度に、実践的に使うという能力です。
 起業家的アプローチとは、新しいサービスを考えて、それを実現するための能力です。
 こういうものが専門図書館員に不足しているのではないかと言われています。
 こういう専門図書館員の役割、あるいは足りない力を、試験でどう把握できるのかということです。
 私どもは資格試験制度準備委員会をつくって、1年間ほど議論をしてきた経過をご紹介したいと思います。
 冒頭にも申し上げましたように、関係のある資格として、こういうものがありますが、我々が考えようとしている試験は、司書、データベースサーチャーなどに必要な知識をもちろん含みますが、さらに人との対応、マネジメントというものを加えた、情報プロフェッショナルにふさわしい内容にできないかという願望を持っています。
 これは委員会で検討してきた案で、最終的にこれで行くと決めたものではありませんが、三つぐらいのレベルの試験をやろうかと思っています。
 一つは初級です。
 これは、図書館、あるいは情報に対する興味を持っていただく層を広げようということです。
 未経験者の方、あるいは学生、図書館をよく利用される一般の人々などを対象に、分類や情報検索などの基礎知識。
 INFOSTAでおやりになっている基礎能力試験どう違うのかと言われますが、こういうものを初級と考えています。
 中級は、図書館情報学を終わった方、あるいはサーチャー、実務経験者を対象に、日々の仕事をよりレベルアップできるような知識レベルを判定したい。
 上級は、インフォメーション・プロフェッショナルとして必要な知識・能力について、先ほど図書館員に不足している能力を出しましたが、そういうものがどれだけ身についているか、どれだけ日常的に発揮できるか。
 そういうものを判定できればと思っています。
 蛇足ですが、米国SLAも、今年の大会で、名前をInformation Professional Internationalに変えようという提案をされたそうです。
 過半数はとったけれど、3分の2はとれなかったということで、現状の名前で行くことになったと言われています。
 そういうことで、専門図書館員(スペシャル・ライブラリアン)というものはインフォメーション・プロフェッショナルでなければいけないという意識がかなり強まってきています。
 当然、この動きは日本にもすぐに来ると思っています。
 では、その初級、中級、上級を判定するのに、どのような試験科目があるだろうかということです。
 これも羅列に近いもので、詳しく議論をしていないところもあります。
 一つは、当然ですが、情報の取り扱いに関する一般知識として、組織化、分類・索引など、従来の図書館学に属するものです。
 それから、メディアに関する知識も、もちろん判定したい。
 それから、特に企業においてはそうですが、外部のデータベースは提供されたものをどう使うかということをやればいいのですが、社内で発生する技術資料、ドキュメント、図面などは自らデータベース化しないと、だれもしてくれないわけです。
 多分、そういうことをやるのが情報部門の中心的な仕事になってきていますので、データベースを構築するという知識も必要であろう。
 それから、インフォメーション・テクノロジーに関する知識です。
 これは、情報処理技術者に近い技術を判定しなければいけない。
 それから、通信技術も同じです。
 やはり図書館員の仕事の一番の醍醐味は、利用者のレファレンスにうまくこたえることだろうと思っていますので、インタビューの技術や、それにどうこたえるかということも必要な試験科目になろうかと思っています。
 それから、先ほどマネジメントのことを申し上げましたが、運営に関する知識・能力も当然、クラスによっては必要になってくると思っています。
 それから、著作権法や図書館倫理などの法令規定に関することも、当然、運営の中では必要だと思っています。
 それから、情報関連産業と一緒に仕事をすることが増えてきていますので、そういう知識。
 それから、プレゼンテーション力、語学力。
 小論文と書いていますのは、上級になれば、当然、論文試験も必要だろう。そのようなことまでを決めています。
 それから、初級から上級までをやると、試験科目はこのようなことを考えていますということで、専門図書館協議会の会員、また、専図協のホームページ、機関誌で、「こういうことをやりたいけれど、どうだろう」というアンケートをとっています。
 このアンケートの中では、数字的には、試験をやることに興味があるという方が80%を超えていましたし、「試験をやったら、受けますか」ということについても、初級については62〜63%、中級については65%、上級になると55%ぐらいでしたが、イメージが曖昧な割には、受けるという方が多くおられました。
 またアンケートのなかで自由に意見を言ってもらいました。
 肯定的な意見としては、我々が思っているように、従来の図書館のサービス方式ではカバーしきれない情報提供サービスが必要になってきているので、こういう試験が必要だ。
 それから、図書館員のレベルアップにつながるから、やってほしい。
 サーチャーや図書館員の社会的地位の確立を期待して、やりたい。
 あるいは、新しい技術の能力を、自分自身で判定したいのでやってほしい。
 こういう肯定的な意見がありました。
 同時に、否定的な意見も出てきています。
 特に専門図書館は分野がそれぞれかなり違いますので、検定試験を行っても、全国レベルで通用するかどうかわからないのではないか。専門図書館は比較的狭い分野、すなわち企業の専門分野に特化したようなところで仕事をしているから、その分野での深い知識はあるが、一般的な資格試験は合わないのではないか。
 それから、これも同じようなことですが、分野によって必要とされる能力・知識が違うので、級をつけることには疑問である。
 情報管理という仕事は、資格ではない、どれだけできるかである。
 そのような否定的な意見も出ています。
 私どもは、これから本格的に、この実現に向けてというより、この試験をすることが本当にいいのかどうかということも含めて、また検討し直しますが、こういう否定的な意見についても考慮に入れながら検討していきたいと思っています。
 同時に、このアンケートの中で、これから専門図書館員に必要な知識・能力にはどういうものがあるかということを聞いています。
 従来から必要なレファレンス、データベース検索などが多く出されています。
 ただ、情報の評価、メディアに関する知識、ハード/ソフトの操作に関する知識など、これから必要なものもかなり出てきていると思っています。
 とりあえず1巡目ということで、ここで終わりたいと思います。

根本
 ありがとうございました。
 専門図書館協議会で検討している資格試験について、背景と検討中の内容についてご紹介がありました。